おいおい、なんて顔してんだよ! 戦う前から、もう負けるみたいだぞ。
神尾さん……。でも、俺……。
なにやってんだよ、お前は! みっともねーぜ! しっかりしろ! 自分に自信持てねーヤツはな、勝負に勝てるわきゃねーんだよ! 勝ちたくねーのか、お前は! オレの知ってるお前は、いつだって無意味なくらいに自信あったじゃねーか! このオレだって、お前は油断ならねーって思ってる。 簡単には勝てないってな。
神尾さんが…俺を?
ああ。本当だぜ。 お互い勝ち続ければどこかで対戦するかもな。 その時は、オレは全力で戦うぜ。お前も、全力でこいよ。 そうじゃなかったら、許さね―ぞ!
……わかったっス! 神尾さんと戦うまで、俺、絶対に負けません!
その言葉、聞いたからな。 約束だぜ、隼人! もうすぐ試合が始まるか……。次に会うときは、コートの上だな。 お互い、頑張ろうぜ。
うっす! 心配かけてすみません!
まさか決勝の相手がお前とはな。不思議なこともあるもんだぜ。 ……お前もそれだけ強くなったってことか。
神尾さんと戦うまで絶対、負けられなかったんス。
お前にしちゃ、良くやったよ。 けどな、ここまでだな。勝つのはオレだ。
そんなの、わからねえっスよ! 勝つのは……俺っス!
全開でいくぜ。オレのリズムについてこれっか? じゃあな。コートで待ってるぜ。
絶対に神尾さんのリズムに追いつく……いや、追い越してやる!
チッ、オレの負けかよ……。 リズム悪りぃったらねーな。お前に負けるなんてよ。
俺……勝ったんスか? ってことは……?
このヤロウ、気づいてないのか? お前の勝ちだよ。良かったな、優勝できて。
俺が、優勝……。それも神尾さんに勝って……。
負けたことは悔しいけどよ……。今日のお前、いいリズムだったぜ。 負けたのも納得できる。 今までで最高のリズムが選抜の決勝戦とはな……。すげぇよ、お前は。
そんな! 俺なんてまだ全然っスよ!
優勝したってのに、まだまだか? ……本当に変わったな、お前。もっと先を見てんだな。 オレの知ってるお前は、こういうときには思いっきり調子に乗ってたもんだぜ。 そんなお前しか知らないオレが、成長したお前に負けたのも当然って言えば当然だな。 お前のリズム、最高だったな。オレもあんなリズムを感じたい。 あらためて言うぜ。 優勝おめでとう、隼人。
ありがとうございます! 神尾さん!!
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