テニプリST2・Jr選抜決勝
〜跡部景吾〜


…どうした。
なにを考え込んでるんだ?
さては、ビビったな?
この会場の雰囲気に飲まれちまったか。

だって、Jr選抜なんスよ!
いままでの大会とはスケールが違うっスよ!

フ…フフフ……。

なっ、なにがおかしいんスか!?

ハッハッハ!
そりゃ、おかしいだろ?
失うモノがなにもない1年坊主がいまさらビビッてんだからな。

そんなこと言われたって、俺……。
試合でミスしたらとか考えるとつい……。

ったく、お前ってヤツは…
ミスしたらどうだってんだ?
ひょっとして、笑われるのが恥ずかしいのか?
くだらねぇなぁ、おい!?

けど……。

もし、お前のミスを見て笑うやつがいたとしても、なんら恥じることはねぇんだぜ。
ましてや、試合に出てもいないヤツらなんか相手にする必要はない。
いま、ここに立っている以上ここに立てなかったヤツらは全員
取るに足らない格下の存在だ。

そ、そうっスね……。
ちょっと、どうかと思う部分もあるにはあるっスけど……。
気が楽になった事は、たしかっスよ!

さあ、行って来い。
絶対に負けんじゃねぇぞ!

うっす!
跡部さんと当たるまで負けないつもりで行ってくるっス!

どの試合も15分で終わらせて来い。
……決勝で待ってるぜ。

うっす!!




まさか、本当にお前と決勝を戦うことになるとはな。

跡部さんっスよ。
決勝で待っていろって言ったのは。

そうだったな。
正直なところ、余計なことをいっちまったようだな。

ひょっとして、後悔してるんスか?

ああ、してるぜ……
いまこの瞬間、本気で後悔してるんだ。

えっ!?

だってそうだろ?
お前にこの俺様の妙技を味わわせなきゃならないんだぜ!

……くっ!
(跡部さん、本気だ!
 こんな跡部さん、久々に見るぜ!)

……どうした?
ビビっちまったのか?

……。

まあいい……。
先にコートで待ってるぜ。
せいぜい覚悟を決めてから来いよ。

(負けられない! 絶対にだ!
今日ここで負けちまったら、この先ずっと跡部さんには勝てないような気がするぜ!)
…………よっしゃあっ!
この試合、俺が勝つ!
最初から全力で勝ちに行くんだ!
跡部さんを絶対に…………越えてみせるッ!!



強くなったな、隼人。

俺……勝ったんスか……?
……ってことは……?

ああ、そうだ。お前の優勝だ。
やったな、隼人。

俺が、優勝……。
それも跡部さんに勝って……。

ああ、そうだ。誇ってもいいぜ。
俺は手加減なんて微塵もしなかったんだからな。
ったく、ザマぁねえよな……。
お前にテニスを仕込んでたつもりがこのザマなんだからよ。

そんな!
俺なんて、まだ全然っスよ!

よせよ、謙遜は逆にイヤミになるぜ。

すんません……。

だから、謝るなって。
それより、もっと胸を張れよ。
この俺、跡部景吾を倒して優勝したんだろ。

ありがとうございます。
跡部さん!




妙に男らしいです、跡部様。
ちなみに隼人は約束どおり全ての試合を15分で片付けたそうで……超人……

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