ん、どこに行くのかって? そうだな……どこか行かなきゃだめかな? うん。 映画とか、遊園地とか、 そういう目的のあるところにはどこにも行かないで ただ君と一緒に話だけして過ごすのも たまにはいいと思うんだけど。 その方が君と二人の価値があるんじゃないかな。 二人でいられる機会なんて、そんなにないんだし 独占できるときは余計な事したくないんだけど。 クスクス…どう? |
え、今日? あー……そういや誘うだけ誘っといて どこ行くとか全然決めてなかったな……激ダサだぜ……。 ちょ、ちょっと待ってくれ。 5分! いや3分! いやそういうんじゃねえけど。 っても何かしたくて誘ったわけじゃねえからだな…… そうだな、いっそのことブラブラしてるだけっつーのもいいかもしんねえ。 いつもお前、全力疾走してる雰囲気あるからよ。 たまには、なんもしねえ、ってのもいいんじゃねえ? いや、もちろんお前がよけりゃ、だけどな。 俺? 俺は……お前がいりゃなんでも…… なんでもねえよ! な・ん・で・も・ねえっての! 聞き返すんじゃねえ! |
さて、どうする。 ん? 俺か。 …………俺にはお前が喜びそうな案は出せんぞ。 すまんが、そういう方面は不得手なのだ。わかるだろう。 しかしこうしている間に無駄に時間を浪費するのも性に合わん。 それ? どれだ。 何もしないというのか。 敢えて。 いや、嫌なわけではない。 ただ、意外だっただけだ。 そうだな。たまにはそれもいいかもしれん。 今日は天気もいい。 そうやって時間を贅沢に使うのも、無益なものではなさそうだ。 しかし、お前は気詰まりではないのか? ……そうか。 ならいい。 |
今日いい天気だよねー。 暑すぎないし、いい風も吹いてるし。 …………。 ねー、ちょっと昼寝しない? いーじゃん、こんなに気持ちいいんだしさ〜。 ほら、あそこなんか最適だと思うけど。 へ? それじゃいつもと変らないって? 変わるよー。 全然違う。 だって、今日はキミが傍にいるじゃん。 それだけで、すごい特別だと思うけど。 昼寝してて、目が覚めたら横にキミがいるのって、最っ高だと思うんだけど。 ……ダメ? |
今日は取り立てて予定がないなら、このままのんびり過ごすのはどうだ? いや、いつもはあいつらなり誰かしらが一緒にいるしな、 それが悪いとは言わんが、 たまにこうして二人でゆっくり過ごすのもいいだろう。 退屈すれば、またその時考えればいい。 もっとも俺はその心配はないと思うがな。 少なくとも、お前と一緒にいて退屈したことはないからな。 ははは、まあそう怒るな。 別に悪い意味で言ったわけじゃない。 実際俺は楽しいぞ。 何をしている訳でなくとも、お前が横にいれば。 どうだ。 ……お前は、俺と一緒にこうして過ごしているのは、退屈か? |