いつものように木陰でまどろんでいると、何か足元に衝撃があったような気がした。
何か、言ったかもしれない。 いずれにせよ、半分まだまどろんでいる状態だったのであまり記憶に無い。
ふと、右肩に軽い重みを感じたような気がして薄目をあける。
女の子が、いる。
まっすぐな長い髪が腕に触れる。 顔は、うつむいて眠っているのでよくわからないけれど、可愛い部類なんじゃないだろうか。 長い睫毛が印象に残る。
……って、こんな所に、しかもオレのすぐ横で、女の子が寝てるはずなんか無いか…。 夢見てんのかな。 夢の中で夢だって思うのって、なんか、ヘンな気が……
軽く、揺さぶられて目を醒ます。 視界に映ったのはいつもと変わらないおなじみの顔。
「ん〜。樺地、もう休憩時間終わりかぁ?」 「ウス」
大きく伸びをしたついでに、右側に目をやる。 やっぱり、誰もいねぇ。
夢にしては鮮明に視界に残っている長い睫毛の少女。
「……なぁ、樺地」 「?」 「ヘンなコト訊くけどさー。 さっきここに、女の子がいたりは……しねぇよなぁ……?」
「ウス。 ……いました」 「あー、やっぱ夢かぁ。 ワリ、ヘンな事訊いて……って、え、マジでいたの?」
樺地が無言で頷く。
「ウソ、マジマジ? マジでいたの? って樺地お前あのコ誰か知ってんの? 誰? 誰ダレ?」
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