サモナイ4・夜会話集

〜グラッド〜


※フェアVer.
 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話 第八話 第十話 第十一話 第十三話 第十四話
 第十六話(イベント) 第十八話 ED



第三話

しかし、お前の親父さんってのは何者なんだ?
めっぽう強いってことは、なんとなくわかるんだが

ただのバカよあんなの・・・
常識がないから平気で滅茶苦茶なことをするのよ

だからって、普通召喚術を剣で斬るか?
物理的にありえないだろう、さすがに

滝をまっぷたつにしたのは、何回か見たかな
お前もやれ! ってしばらくの間、特訓をさせられたんだから

うへぇ・・・
なんか、同じ人間とは思えないな、それ

言わないでよぉ、わたしも時々、疑問を抱くんだから・・・

――バカの一言で片付けることができないのがムカつくのよね・・・――

どんな親父やねん、ソレ。

第四話

お前が飛び出してったあのあとな・・・俺たちも反省したよ
しっかりしてるからついつい、お前だけに負担かけさせてさ
ホント、悪かったな

い、いいんだって!?
そんなことは・・・もともと、わたしが自分でそうするって決めたことなんだし

そう、それだ!
お前がそう言うからついつい、俺なんかは無理させちまうんだ。
でも、お前だってまだまだ子供なんだ

もうっ
子供あつかいは・・・

いいから聞け!?

う・・・

きつかったらそれで潰れちまう前に頼ってくれりゃいい
もっと甘えたっていい
ただでさえ、お前はがんばりすぎなんだ

お兄ちゃん・・・

まあ、お前が平気っていうのなら、無理強いはできないけどな
これだけはおぼえとけ
ミントさんもポムニットさんもそして、この俺もお前たちのことを本当の妹や弟みたいに思ってるつもりだ
だから、遠慮するな
約束だぞ?

う、うん・・・

――ありがとう・・・お兄ちゃん・・・――

そうは言ってもグラッド兄ちゃんも子供に見え、いやその。

第五話

はあ・・・

どうしたの?
ため息なんかついちゃってさ

アロエリの姿を見ていたらな
使命ってなんなのか考えさせられて、さ
俺たち、帝国軍人は帝国の平和を守っていくことが使命だ

でもって、駐在軍人のグラッド兄ちゃんにとっては
この町の平和を守ることがそうなんだよね

ああ、そしてその使命を、俺は誇りに思っている
けどな、果たして俺が同じ立場になったならああまで、一途に使命を果たそうって思えるんだろうか
誇りを守るためにあそこまで真剣になれるんだろうか
ははは、ちょっと自信がない・・・

いんじゃないかな?
別に真似しなくても

え・・・

グラッド兄ちゃんはグラッド兄ちゃんなりに、一生懸命この町のことを思ってがんばってるんでしょ
もしものことなんて、考えなくてもいいんじゃないの?
そうならないようにお兄ちゃんはここにいてくれるんだから胸を張ってればいいんだよ!

そ、そうか?
そうだよなっ?
よーし・・・俺は、俺なりにがんばってやるぞ!

うんうん

――そのほうが、ずっとお兄ちゃんらしいよ――

成績もあまり芳しくなかったようですしね…。
しかしフェアはしっかり者ですな。


第六話

「旧王国」って言葉を聞いたとたんにさ・・・グラッド兄ちゃんなんで、あんなにも顔色を変えたの?

当たり前だろう!?
「旧王国」は「帝国」の敵対国なんだぞ
武力侵攻を受けたのもそれこそ数知れない

でも、それって今よりもずっと昔のことなんでしょ?
最近はそうでもないって思うけど

そんなことはないぞ
あの「傀儡戦争」でも「旧王国」の手引きによって悪魔たちの軍勢が国境を越えて、侵入しようとしたんだ



国境警備隊の要である「紫電」部隊が撃退に成功してなかったらこの町だって襲われていたかもしれないぞ

「紫電」か・・・
たしかお兄ちゃんの憧れてた部隊だよね
帝国で最初の女将軍が率いているんでしょ?

ああ、そうだ
陸戦隊なら、誰でも一度は憧れる部隊さ
そのぶん、編入試験も訓練内容も厳しいってことなんだけどな

そうなんだ・・・

なんにせよ、俺は帝国軍人の一人としてこの国の人々の平和を守りたいと願ってる
「旧王国」が敵対行為をとり続ける限りは戦わなきゃならない
そういうもんなんだよ

――軍人の理屈からすれば怒るのも、当然ってことなのかな・・・――

帝国で最初の女将軍!
「紫電」を語る時のグラッド兄ちゃんは人が変わったみたいですな。


第七話

いつかは、はっきりと聞いておこうと思ってたんだけど・・・
グラッド兄ちゃんミントお姉ちゃんが好き・・・なの?

ぶふっ!?
ななっ、なにをっ! バカなことをっ!?
だいたい、俺がそんなそぶりを見せたことなんて・・・

しょっちゅうじゃない
ミントお姉ちゃんと話してると、言葉使いおかしくなってるし

・・・そうなのか?

うん、まるわかり

なんてこった・・・

でも、心配しなくてもミントお姉ちゃんは気付いてないよ
ミントおねえちゃん「だけ」のほうがより正しいけどね

そ、それはそれで複雑な気も・・・

てことは、やっぱりそうなんだ?

まあ、な・・・正直、ひと目ぼれしてしまってるんだ

まあ、それも仕方ないかもね
お姉ちゃん、優しいしキレイだから男の人だったらきっと、誰だって好きになっちゃうよ

だろ!?

ただ、たまに不可解な行動をして、面食らうこともあるけど

そういうところがまた男心をくすぐるんだよ

ふーん・・・

今の話、くれぐれもリシェルとかには秘密だぞ?
言いふらされたらそれこそ、巡回にも出られん・・・

じゃあ、どうしてわたしには話してくれたの?

そりゃあ、お前はほら口はかたいだろうしさ
一番、身近っていうか色々と相談とかにも乗ってくれそうだし

それって、つまりお兄ちゃんの味方になれってこと?

なあ、頼むよ?
代わりに、お前にもしそんな相手ができたら協力してやるからさ

(むむむ・・・っ!)

いでええぇぇぇっ!?

そんな無神経じゃ助けてあげようって気にもならないよ!
イーッ、だ!

お、おいっ!?
どうして、お前が怒るんだよっっ???

――お兄ちゃんのバカ! わたしだって、一応は女の子なんだぞ・・・――

いやあもうグラッド兄ちゃん、バカ!(笑)
こういうデリカシーがないところ大好きです。←変


第八話

ともかく、みんな無事でなによりだ

うん、今回ばかりは正直もうダメかと思っちゃったよ
アルバやシンゲンさんが来てくれなかったら打つ手がなかったし
それに・・・「将軍」があの状況を静観してなかったらきっと、わたしたち負けていたと思う

いまいましいがそのとおりかもな
むかつくヤツだが騎士の誇りだけは持っていたワケだ

・・・・・・

どうしたんだ?
元気がないぞ?

グラッド兄ちゃんが最初に言ってたことがようやくわかったの
組織を敵に回すってことの恐ろしさがさ

フェア・・・

勢いだけでわたしが守ってみせるなんていっちゃったけど
甘かったのかもしれない・・・・・・

だからって、今さら逃げだしたいなんて考えてないよな?



弱気になるのは仕方がないもんさ
恥ずかしいことなんかじゃない
ただ、その弱気にまけちまうのだけは絶対にダメだ!
負けたら、それをこの先、引きずってくことになるんだぞ?

・・・っ

心配するなって
こうすると決めたのはお前一人じゃない
俺もミントさんもポムニットさんだって同じ気持ちなんだぞ

お兄ちゃん・・・

正しいと感じたことを最後まで、思いっきりやりとげるんだ
足りない部分は俺たちが全力でなんとかしてやる!

・・・うんっ!

――思いっきり・・・それがわたしらしいやり方なんだもんね!――

おお、お兄ちゃんっぽい!

第十話

彼女が、まさか悪魔だったとはな

悪魔じゃないよ!
「半魔」だってば!

ああ、すまん
けどな・・・

もしかしてポムニットさんのこと軍に話すつもり?

ば、バカ言うなっ!?
いくらなんでもそこまで態度を急変なんて出来るか
見損なうなよな?

う、ゴメン・・・

でも、すこしばかりびびっちまってるのは正直なところかな

どうして!?
ポムニットさんはポムニットさんだよ

わかってるさ
彼女は、守るべきこの町の住人だ
けどな、俺は実際に悪魔と戦ったことがあるんだよ



昔、傀儡戦争の時の悪魔の残党の討伐に参加したんだ
・・・わずか数体の悪魔をいくつもの部隊でなんとか倒した
被害もすごくて、な

・・・・・・

俺だって、彼女を信じたいと思ってる
けど、同時に悪魔の恐ろしさというのも痛感してるんだよ
だから、どうしても構えてしまうんだ
それが、彼女の心を傷つけるだろうってわかっててもな

お兄ちゃん・・・

――悪魔を知ってるからこそわりきれなくて苦しんでるんだ・・・――

実は話の内容よりもグラッド兄ちゃんに実戦経験があったことに驚いてしまいました。
学校卒業してからずっと町の駐在さんだとばっかり…


第十一話

より強い兵器の開発に軍が熱心だったことは知っていたさ・・・
学究都市の研究施設が重要な警備対象であることも説明されてた
だけど・・・だけどな!?
なんで、あんなことが平然と行われていたりするんだよっ!?

お兄ちゃん・・・

研究のためだからって人の身体をあんな風に歪めちまうなんてやっちゃいけない!!
絶対に許されるようなことじゃないんだ!

うん・・・
(教授が言っていたことがなにもかも本当のことだったら研究の素材にされた多くの召喚獣たちはきっと・・・
 ・・・ッ!)

お前らの言うとおりだったよなあ・・・
コーラルのことを軍の管理下に置くと決めていたならそれこそ、お前らに顔向けできなくなるところだった・・・

でもさ・・・
グラッド兄ちゃんは結局、わたしたちのワガママを見逃してくれたじゃない?
だから、責任を感じる必要なんて全然ないよ!

軍人の立場としてはほめられた行為とは言えないけどな
もっとも、軍自体がほめられたもんじゃないのかもしれんが

・・・・・・

だが、軍がどれだけろくでもないものとわかってもな・・・
軍によって守られるべき、帝国の民には何の非もないんだ
だから、俺はまだ駐在軍人の任務を放棄したりはしない
・・・安心したか?

う、うんっ!

「戦う術をもたぬ者に代わり、理不尽な暴虐へと立ち向かう者 それこそが軍人だ」
「紫電」を率いているアズリア将軍の言葉だ
この言葉を信じて俺は、任務を全うしようと思ってる
お前らや、町の人々を最後まで守るために!

――お兄ちゃんならなれるよ
 みんなを守って戦える本物の軍人に・・・――

アズリアさん、すっかりカリスマですな。
常に自分を鑑みる事が出来るのはグラッド兄ちゃんの美点だと思いますよ。


第十三話

橋の件については報告書を出したぞ
さすがに、隠しておけることじゃなかったからな

仕方ないよね
実際、部分的には壊れちゃったし

修理の件についてはテイラーさんが対応してくれるらしい
通行の支障がないよう、大急ぎで修繕してしまうそうだ

じゃ、ひと安心だね
あの人は、そういう対応には骨惜しみをしないもんね

事実上、この町の領主みたいなもんだしなあ・・・
そういや、お前知ってたか?
町のあちこちにある壊れかけた給水施設
廃棄されるはずだったあれを修復したのもあの人らしいぞ

うん、よーく知ってる
だって、あの施設を叩き壊しちゃった大バカ者って父さんだし・・・

なんだってぇ!?

聞いた話でしかわたしも知らないけど
前に、この町が皇族の別荘地候補に選ばれかけてあの給水塔とかもそのために作られたものだったんだって
ところが、なにをとち狂ったのやら
あの人ってば、それに反対して、大騒動を起した挙句に

ぶっ壊した・・・っていうのか!?

テイラーさんはそう言って、いつもわたしを責めてるよ
別荘の誘致が成功していたら、町はもっと栄えていた
大損失だ、ってね

うへえ・・・

父さんが、旅に出ることになった原因のひとつにはそういう理由もあるみたいだよ
損をした関係者には今でも、恨まれてるみたいだし・・・

なんていうか豪快な一家だよなお前んトコって

一緒にしないで!
あの人が非常識なだけだってば!?

――今頃、どこでなにをしてるのやらまったく・・・――


この期に及んでまた暢気な会話ですな。


第十四話

やれやれ・・・とうとう本拠地ごと敵のおでまし、か
いつかはこうなるって覚悟はしていたけどきっついなぁ

ゴメン・・・全部、わたしたちのせいだよね・・・
お兄ちゃんたちの言うことをきかずに意地ばっかり張り続けてきたから
こんな、騒ぎに・・・

ま、待て待てっ!?
俺は、お前を責めてるワケじゃないぞ!?
つい、グチがこぼれただけでな・・・

けど・・・っ

そりゃ、たしかにお前たちは、意地を張ったかもしれない
だが、そうすることを許しちまってる時点で俺だって同罪なんだ
言ってるだろ?
覚悟はしてた、ってな

お兄ちゃん・・・

しかし、さすがにこれ以上、騒ぎが大きくなっちまうと俺一人の力だけではもう、かばってやれないかもしれんな

え・・・

現に、町の人たちが「城」を見たせいで不安になってる
旅人たちの噂話になって広まるのもそう遠くないだろう

そう、だよね・・・

本部への報告はなんとかここまでごまかしてきたけど
正式に調査の命令が出たら、俺はそれに従わなきゃならない
軍人、だからな
すまん・・・

気にしないで!?
お兄ちゃんばかりに無理させられないよ
すごく感謝してるよ
わたしたちのワガママ聞いてくれて・・・

けどな、軍が動くにはまだ時間があるはずだ
だから、なんとしてもそれまでにこの騒ぎを終わらせるんだ!
そうすりゃ、あとは俺が始末書を書いてカタがつくはずさ

うん・・・

しっかり頼むぜ!
いつもの、お前みたいにな?

・・・うんっ!

――終わらせなくちゃ! お兄ちゃんのためにも、絶対に・・・――


始末書…一人現実をしょってるなぁ兄ちゃん……


第十六話(イベント会話)

そうか・・・
こうして、じかに話されちまったら信じるしかないな
お前が「響界種」だったなんてなあ

・・・・・・

だとしたら、まず礼を言わなくちゃいかんだろうな

え?

トレイユを守る駐在軍人として感謝いたします!
本官、ならびに町の住人の命を救ってくださって本当に、ありがとうございましたっ!!

や、やめてよ!?
そんな、大げさなことしてないってば!?

いや、こういうことはきちんと形式に則っておかないと・・・

いいんだってば!
わたしと、お兄ちゃんの仲でしょ?

まあ・・・それもそうだよな?

まったく・・・





それで、お前はどうするつもりだ?
やっぱ、ギアンの誘いを受けるのか?

ううん、それはなんか違うって思ってる

なら、悩むことなんてないじゃないか

そんなに単純なことじゃないよ!?
私はここにいたい
でも、周りのみんなに迷惑が・・・

迷惑になるなんて誰が、お前に言った?

え・・・

お前が一人でそう思い込んでる
それだけだろ

でも、普通に考えたら絶対に・・・

たしかにな
でも、そういう場合真っ先に関わるのは駐在軍人の俺だ
なんとかしてやるよ
だから、余計なこと心配すんなって!

お兄ちゃん・・・

厄介事だったら慣れっこだしな
それに・・・俺とお前の仲だろ?

で、でも・・・っ
それじゃあ、ずっとお兄ちゃんに・・・

いいんだよ、それで
迷惑なんて考えるから悩んだりするんだよ
素直に甘えとけよ?
俺は、お前の兄ちゃんなんだからさ

う・・・っ、うううっうわああぁぁっ!!
お兄ちゃん・・・っ グラッド兄ちゃんっ!
うわああぁぁん!!

よくガマンしたな
でも、泣きたい時には泣いてもいいんだ
いつだって、俺はお前の味方だからな

う・・・ん・・・っ


えー、ちょっと誰この男前。
『俺とお前の仲』というやりとりがなんだかツボでしたv
でも…別にグラッド兄ちゃんはフェアの兄ちゃんなワケじゃないんですが……



第十八話

うん・・・これで、現在までの報告書はまとまった
あとは、警備隊が到着するまでの、時間稼ぎの方法だよなあ・・・

・・・

大道都市を経由するように連絡するとして理由づけは・・・

寝ないの? お兄ちゃん

ああ、やることがまだたくさん・・・って
のわあぁーっ!? びっくりしたっ!

ご、ゴメンっ!
別におどかすつもりじゃなかったんだけどただ、なんかすごく忙しそうだから、声かけづらくて・・・

それ以前にな、こんな時間に、お前がここにいるのが問題だろ?
朝に備えて、ちゃんと休んでおかないとダメだろうが?

わかってる、けど眠れなくて・・・

まあ・・・それも仕方がないか
じゃあ、せっかくだしなんか軽めの夜食でも作ってくれよ?

・・・うんっ!

腹の底からあったまるようなもんがいいな

任せといて♪





ふぅ・・・っ
ごちそうさん
しっかし、相変わらずお前の作るメシはうまいよなあ

そういえば、お兄ちゃんってここんとこ、ウチでゴハン食べてないよね
やっぱ、ゆっくりしてられないくらい忙しいの?

それもあるけどな
まあ、一番の理由は安月給の中からちょっとばかし貯金を始めたせいなんだよ

貯金?

軍学校の上級科の編入試験を受けてみようと思ってな
そのために必要な学費とかを、用意しているのさ

上級科って・・・なんでまた、急に?

別に、急に決めたことでもないさ
ほれ、お前にも何度か話したことがあるだろう?
俺の夢は、アズリア将軍の率いる「紫電」に、入ることだって

あ・・・

今まではな、かなわぬ夢のつもりでいたんだ
ただ、願望を言ってただけで、本気で努力をしてはこなかった
でもな、望みをかなえるために必死でがんばり続けているお前の姿を見ていて思ったんだよ
今のまんまで本当にいいのか? ってな

お兄ちゃん・・・

できる、できないじゃなくって、やってみる
そう決めたからとりあえず、もう一度勉強を始めてみることにしたんだよ

そっか・・・だけど、編入試験に合格しちゃったらお兄ちゃんはこのムラの駐在軍人をやめちゃうの?

そういうことになっちまうな

・・・・・・

しょげた顔するなよ?
別に今すぐ、どうこうなるわけじゃないぞ
次の季節の巡りがこなけりゃ、試験は受けられないし
そもそも、合格する保証だってないんだぞ

できるよ・・・お兄ちゃんなら・・・
あんなにも一所懸命町のためにがんばってこれたんだもん
そのがんばりがあれば編入試験だって、絶対だいじょうぶだよ
だけど・・・なんでなのかな・・・
お兄ちゃんの夢がかなうことは、嬉しいって思ってるのになんで、わたし・・・こんなにも悲しいって思っちゃうのかな?

フェア・・・お前、泣いて・・・

ご、ごめんね・・・っ
なんか、変なわたしでごめんね・・・っ?
だけど、お兄ちゃんがいなくなっちゃうって思ったら・・・涙が、止まらないの
なんで、なんでかな? おかしいよ・・・っ

フェア・・・

わかってるんだもん
お兄ちゃんは・・・ミントお姉ちゃんのことが好きで、だからどうがんばったって勝てないもんっ
妹みたいな、わたしじゃ、絶対に・・・



二人とも、わたし大好きだから、側にいてくれさえすればそれで、よかったのに
満足しようってずっと思ってたのに・・・なのに、なのに・・・う、ううう・・・っ

俺って、やっぱりバカすぎるよな
さんざん、お前を傷つけてたことにも気が付かないで結局、泣かせちまった
でもな・・・ひとつだけ、お前は勘違いしているぞ?

・・・え?

たしかに、俺はミントさんのことが好きだったよ
だけど、それはさっきの夢の話と同じで・・・ただ、憧れを口にしていただけだったんだ
かなえる努力だって全然、できちゃいない
それに、あの人には他に心を決めた相手がいるんだろう?

それは・・・

言わなくてもいいさ
ちゃんと、わかってる

お兄ちゃん・・・

それにな・・・お前のことだって俺は、同じくらいに大切に思ってるんだ

え!?

お前の欲しかった好きって気持ちとはズレちまってるけど
でも、それは気がつかなかっただけのことでがんばれば、きっととり返しがつくものだって思ってる

そ、それって・・・

まあ、あれだ・・・
仕切り直しにさせてくれってことさ
フェア
これからは、ちゃんとお前のことを妹なんかじゃなくて一人の女の子として見ていくからな

お兄ちゃん・・・

グラッドでいいよ

だ、だって・・・わたしだって、急には変われないよ・・・恥ずかしいし・・・

あはははっ、だったらゆっくりと変わっていくことにするか?
そのほうが、きっと俺たちらしいしな

うん・・・

がんばろうな?
明日の戦いで、絶対決着をつけるんだ

うん、がんばろう!

(わたしとお兄ちゃん それぞれの夢をかなえていくために・・・)


わー、きゃー、恥ずかしい!
フェアの泣き顔がまた可愛いんだ!
しかしミントとセクターのことをグラッド兄ちゃんが知っていたのは意外。
フェアの告白に対する返答がちょっと手馴れている風なのも意外(笑)。



ED

※全キャラ共通箇所は省略。

そう言えば、そろそろ時間なんじゃない?

そうだね・・・そろそろ行かないとマズイかも・・・
きっと、お腹すかせてへばってるだろうし

愛妻弁当かあ・・・いい身分よねえ・・・

そ、そんなんじゃないってばぁ!?
わたしは、ただお兄ちゃんの応援をしてるだけて・・・

はいはい、いいからさっさと届けに行ってあげなさいって

もぉ・・・っ!

しかし、あのコってあれでバレてないつもりかしら?

意識しすぎてるから
かえって、不自然になってるのにねぇ

そういうあんたは笑ってる場合なワケ?
このままだと、勝ち目なくなっちゃうわよ?

なくなる以前に勝負にならないよ 悔しいけどね
だから、応援する
そう決めたんだ

ふーん・・・
ま、それもあんたらしいか・・・



お待たせっ!

おーそーいー・・・

ゴメン、ゴメン
お店のほう、どうにも手が離せなくってさ
だけど、そのぶん今日は豪華だぞ♪

おーっ、すげえ!?

夜にパーティーの予約が入ってるから、凝った品揃えにできたの
さあ、食べて、食べて

いっただきまぁーす♪





ごちそーさん・・・今日もうまかったよ

えへへ、まあ当然だけどね
・・・で、どう?
試験勉強のほうはすすんでる?

うーん・・・バッチリと言い切れるほどではないけどなんとか、メドは立ってきたと思う

そっか・・・

できれば、一発で合格したいからなあ
若いうちじゃないと合格しても訓練にはついていけないし
それに・・・

それに?

今のままの安月給じゃもう一人食わせるには心もとないからな

あ・・・で、でも・・・ほらっ、お店のほうも順調にいってるしさ
二人で協力していけば食べていくくらいならなんとでも・・・

今はそれでよくても将来的には、そうもいかないだろ?
家族ってものはにぎやかなほうがいいもんだしな

そ、それは・・・そうだけど・・・

さみしい思いをさせてすまないとは思ってるけどな・・・
もう少しだけでいい
俺を信じて、待っててくれないか?
必ず、夢をかなえてお前を迎えにくるよ
そして、その時には待たせちまったぶんめいっぱい、幸せにしてやるからな

グラッド・・・お兄ちゃん・・・

お兄ちゃんは余計だぞ

う、うん・・・わたし、待ってるよグラッド・・・

――(鐘の音)――

おっと・・・そろそろ、任務に戻らないとな

いってらっしゃい
見回り、がんばってね

ああ、いってくる!


――俺は、俺の夢を絶対にかなえてみせるよ。
  お前と、お前と作る家族の未来を守ってやる事が出来るように――


グラッド兄ちゃん……一足飛びに家族と来たか……。
もう完全新婚カップルですよもう。
軍学校卒業しても単身赴任確率高そう。
なにはともあれ、お幸せに!



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