サモナイX・夜会話集

〜ソティナ〜


第四章 第五章 第六章・前 第六章・後 第七章 第八章 第九章 第十章 第十一章 第十二章 第十四章 第十五章
 第十六章 第十八章 ED



第四章

良かった、ファラちゃんがまだ起きててくれて。

私に何か用事ですか?

うん、ちゃんとお礼を言っておきたくって。
今日は、お姉さんを助けにきてくれてありがとう。

私も、ソティナさんにお礼を言わなくちゃ。
神殿に残るって意思を、変えてくれた事を。

お姉さん、テコでも動かないつもりだったのにね。
ファラちゃんの悲しそうな顔を見たら、できなくなっちゃった。
あ、昔もよくこんな事があったなって。
思い出しちゃったの。

あはは、私、何かに困るといっつもソティナさんのところに行ってましたね。

そうよ、おねーちゃん、おねーちゃんって言ってくれて、私、本当の妹のように思ってた。それは、今も変わらないわ。

ソティナさん。

ファラちゃん、本当に大変な事ばかりでつらいでしょうけど、困ったり、悩んだりしたら、昔みたいに、お姉さんのところに来てね。
お姉さん、待ってるから。

ありがとうございます。
ソティナさん。

――お姉さんの事、頼っていいのよ。――


ファラ編  あのお姉さんぶるクセはファラのせいか!


第五章

ディラン君…。

まだ、起きてたんですね。
早く眠らないと体に毒ですよ。

ディラン君…。
う、うううう。

ど、どうしたんですか!?
泣かないでください!?

だって、ディラン君。
かわいそうなんだもの。
お父さんに、あんな事を言われるなんて。

俺を始末しろって命令の事ですね。
大丈夫です。
覚悟は、してましたから。

ディラン君、強がらなくていいからね。
泣きたくなったら、いつでもお姉さんの胸に飛び込んでくるのよ。
ディラン君なら、お姉さん大歓迎で受け止めちゃうから。

ソ、ソティナさん!

それじゃあね。

遠慮なく、飛び込んでくるのよ〜。


ちょっとびっくりしたけど、気持ちはうれしかったな。
ありがとう、ソティナさん。

――いつでも、お姉さんの胸に飛び込んでくるのよ〜。――


  ◇  ◇  ◇


ファラちゃん、まだ起きてたのね。

うん、これからの事を考えてたら、眠れなくなっちゃって。

そうね、頭の痛い問題よね。
きっと帝国は次から次へといろんな手で攻めてくるでしょうし…。
アークランドが、いつまで耐えられるかどうか…。

………。

あ、お姉さん暗くなるような事、言っちゃったみたいね。
こういう時は、ウソでも大丈夫って言わなきゃいけなかったよね。
あ〜〜、お姉さん何やってるのかしら〜。
ね、質問するとこからやり直しさせてもらってもいいかな?

フフフ、大丈夫ですよ。
ソティナさんを見ていたら、何だか気分が楽になりました。
ソティナさんって、昔から人をホッとさせるのが上手なんですよね。

本当に?
何だかお姉さん照れちゃうわね。
でも、ファラちゃんの役に立てて良かったな。
そういう事なら、いくらでも見てちょうだいね。
それでファラちゃんが楽になるなら、お姉さん一肌も二肌も脱いじゃうから。
それじゃあね♪


ソティナさん。
本当に脱いだりしないかちょっと心配だな。

――さあ、一肌脱いじゃうわよ。――


※ディラン編 正直初め何がかわいそうなのか素でわからなかった……。
※ファラ編  ファラ、あんまりこの人をつけあがらせちゃダメだよ。

第六章・前

あら、ディラン君。
まだ起きてたのね。

ソティナさん。
今日はすみませんでした。
俺についてきてくれたばかりに、あんな目にあわせてしまって。

ううん、そんな事ちっとも気にしてないわよ。
危険は承知の上で一緒に行ったんだし、謝ることなんかないわ。

でも…。

それに、お姉さんそんなに怖くなんかなかったのよ。
だって、ディラン君が一緒だったもの。

えっ?

何でかしらね。ディラン君って昔っから人を安心させるの上手なのよね。
もしかしたら、そう思うのお姉さんだけかもしれないけど。
あ、いけないわ。
明日は大切な日だもの。
早く眠らないと。
ディラン君も、夜ふかししないでね。


(ソティナさんの言うとおり、明日は大切な日。
 しっかり体を休めておかないとな)


――ディラン君がいてくれたら、怖くないのよね。――


  ◇  ◇  ◇


ファラちゃん、ほんっとに今日はありがと〜。
お姉さん、もうダメかと思っちゃったわ。
でも、そんな時にファラちゃん達が助けにきてくれて…。
お姉さん、ファラちゃんの姿が一瞬、女神様に見えちゃったくらいなのよ。

そんな、女神だなんて。

ファラちゃん、明日の戦い、不安でしょうけどがんばりましょ。
ファラちゃんがいれば、きっと大丈夫。
お姉さん、不思議とそんな気がするの。
お姉さんのカンって、ごくまれに当たる事もあるって有名なんだから。

フフフ、それは心強いですね。

必ず、王都を取り戻しましょうね。

はい、ソティナさん。がんばりましょう。

――ファラちゃんはお姉さんの女神様ね。――


※ディラン編 ディランいいヤツだなぁ! でもやっぱり鈍そうだなぁ!(笑) ※ファラ編  ……あれ、それは結局滅多に当たらないって事じゃ……。女神発言はいきなり核心。

第六章・後

王様になるかどうか、ずっと悩んでるんでしょ?

はい、でも、やっぱり断ろうかって思っていて。

えっ、どうして?

だって俺はちっとも、国王にふさわしい人間じゃないし。

あら、それじゃ国王にふさわしい人間ってどんな人なのかしら?

えっと、それは…。

お姉さんが思うに、国王に一番ふさわしい人間って言うのはね、周りのみんなが、『この人に国王になって欲しい!』そう思ってもらえる人の事じゃないかしら。
そして今、みんなはディラン君に国王になって欲しいって思ってる。
ほら、ディラン君ほど国王にふさわしい人はいないって事になるわよ。

そうでしょうか…。

ディラン君の返事、お姉さん楽しみにしてるわ。
それじゃ、おやすみ。


(ありがとう、ソティナさん。
 俺、決心がつきそうです)


――お姉さんも、ディラン君に王様になって欲しいな。――


  ◇  ◇  ◇


ファラちゃん。
まだ眠れないの?
分かった、女王の事どうしようか考えてたんでしょ?

ソティナさん。
私、どうしたらいいんだろ?
王女として、引き受けるべきなのは分かってる。
だけど…。

ファラちゃん、誤解しないでね。
みんなが、ファラちゃんに女王になってって言ってるのは…。
ファラちゃんが、王女だからって理由だけじゃないのよ。

えっ?

ファラちゃんが、誰よりも優しくて、人の痛みの分かる人だから。
だから、女王になって欲しいって思ってるの。
もちろん、お姉さんもよ。

ソティナさん。

大丈夫、大丈夫、ファラちゃんならできるわ。
それじゃあね、悩みすぎて熱が出ちゃう前に休むのよ。


昔から、こうだったな。
私がどんなに悩んでても、ソティナさんの、大丈夫、大丈夫を聞くと気持ちが楽になるの。
そして、本当に大丈夫だって思えてくる。
ありがとう、ソティナさん。
私、決心がつきました。


――ファラちゃんの事、信じてるわ。――


※ディラン編 詭弁ではあるけどちゃんとお姉さんっぽい。珍しく!
※ファラ編  根拠はないけどね!(苦笑)。


第七章

ファラ…ちゃん。

どうしたんですか?
そんな、悲しそうな顔をして。

つらかったでしょ。
ノイン君のこと。
まさか、あんな事になってたなんて。

でも、今は少しだけホッとしてるんです。
お兄様が帝国に味方していたのは、洗脳のせいだって分かったから。
お兄様の、本心じゃないって、分かったから。

ファラちゃん、今日、ノイン君の洗脳が一瞬解けかけたでしょ?
ノイン君の心が、完全には消えてないって事だわ。
必ず、洗脳は解けてまた元の優しいノイン君に戻ってくれるはず。
だから、ファラちゃん。
それを信じて、がんばりましょ。
お姉さんも、一緒にがんばるからね。

はい、ソティナさん。

――信じていれば奇跡は起こるんだから。――


ファラ編  あー、やっぱりノインとも知り合いなんだ、ソティナさん。


第八章

ファラちゃん、ステキな眺めよね。
お姉さん、こんなキレイな星空見るの初めてよ。

私もです、ソティナさん。

でも、今日はちょっとだけお姉さん悔しかったな。

えっ、何がですか?

お姉さん、これでもファーライト神殿の神官なのに…。
マナの門の事、詳しく覚えてなかったなんて。

仕方ありませんよ。
アーティーさんも言ってたじゃないですか。
神話の中でも、すごく細かな部分だって。

それでも、神官としては覚えておかなくちゃ。
戦いが終わって神殿に戻ったら猛勉強するわ!
そして今度こそアーティーさんには負けないようにするのよ!

は、はあ。
がんばってくださいね。

――見ててね、お姉さんがんばっちゃうんだから!――


ファラ編  いや、残念ながらアーティーには絶対勝てませんぜ。


第九章

あら、ファラちゃん。
まだ起きていたのね。

あくり〜んちゃんの事、考えてて。

不思議な子よね。
お姉さんもいろいろ考えたけど答えは出なかったわ。
宝珠の力で呼び出された召喚獣かしら?
それとも…。
まあ、急がなくてもだんだんと分かってくると思うわ。

確かにそうですね。

でも、ファラちゃんって面倒見が良くてびっくりしちゃった。
あくり〜んちゃんの面倒、ちゃんと見てるんだもの。

アハハ、だって夢がかなってうれしいから。

夢?

私、ソティナさんみたいなステキなお姉さんになりたいなって、昔から思ってたんです。

ファラちゃん、そんなこと言ってくれるなんてお姉さん感激だわ。
これからも、ファラちゃんのステキなお姉さんでいられるように、お姉さん、がんばっちゃうんだから。


――お姉さん、張り切っちゃうわよ。――


ファラ編  反面教師……じゃないのか……。


第十章

どうしたの?
ファラちゃん、難しい顔してたわよ。
何か悩みがあるんなら、お姉さんに遠慮なく話してね。

召喚戦争のせいで、ファングさんはつらい思いをした。
ううん、ファングさんだけじゃない。
たくさんの人やランカスタの民が、つらい過去を背負ってる。
それは、帝国の人だって同じはずでしょ。
なのに、どうしてまた戦争が始まっちゃったのかな?
おかしいよ、そんなの。

うん、確かにそのとおりね。
でもね、すべての帝国の人が過去の痛みを忘れたわけじゃないと思うの。

えっ?

その証拠に、帝国を脱走してきた兵士達もいるでしょ?
今戦ってる人達も、頭のどこかでは分かってるんじゃないかな?
この戦いが間違ってるんだって。
だからこそ、早くこの戦いを終わらせなきゃいけないと思うの。

そうですね、ソティナさん。
私、頑張ります。
ふたつの国のためにも、この戦いを終わらせます。

──ファラちゃんなら、この戦いを終わらせられるわ。――


ファラ編  まあ、普通にまっとうな会話ですよね。


第十一章

ソティナさん。今日はごめんなさい。勝手に出てったりして。

いいのよ、気にしないで。
こうやって、洗脳の解けたノイン君も戻ってきたんだし。
本当に、良かったわ。
お姉さんもすごくうれしい。
でも、ノイン君心配してたわよ。

何をですか?

洗脳されている間に、何かとんでもない事をしてしまってないかって。

それは…。

心配いらないわって答えておいたわ。
お姉さんは何も知らないけれども…それが一番だと思ったの。

ありがとうございます。
ソティナさん。

ノイン君が戻ってきて、みんなも心強いと思うの。
帝国に負けないように、力を合わせてがんばりましょ。

はい!

──何も心配しなくて、いいんだからね。──


※ファラ編  意外にソティナさんが空気読める人だった。


第十二章

ソティナさん。

ファラちゃん!?
良かった、やっと見つけたわ。
お姉さん、あっちこっち探しちゃったわ。

すみません。ソティナさん。

いいのよ〜。
こうやって見つかったんだし。
さ、お城に戻りましょ。

ソティナさん、私はお城には戻れません。

えっ!?

私、もうがんばれないんです。
全身から力が抜けちゃって、もう何も…。

だったら、がんばらなくてもいいのよ。ファラちゃん。

えっ?

ファラちゃんは、これまでずっとがんばってきた。
どんなにつらい事があっても、前を向いて歩いてきた。
少し休む事も、必要だと思うわ。
大丈夫、ファラちゃんが休んでる間は、お姉さんがはりきっちゃうんだから。

ありがとうございます、ソティナさん。
でも、ソティナさんにそう言ってもらえたら、勇気が出てきました。
こんなに優しいお姉さんがいてくれるって思ったら、心強くなりました。
私、がんばります。
お父様やお兄様のためにも。
お城に戻りましょ。ソティナさん。
みんなに、謝らないと。

──辛かったら、少しは休んで良いのよ。──


※ファラ編  お、ちょっとお姉さんっぽい!?


第十四章

ソティナさん。

召喚の塔で女神クラヴィスは降臨されなかったけど、安心はできないのよね。
ディラン君の弟、ラディウスが言ってたものね。準備はすべて整ったって。

そうです、放っておいたら今度こそ、帝国は女神の力を手に入れてしまいます。
阻止しなければいけません。
王国のため、そして帝国のためにも。

ファラちゃん、すっかり頼もしくなっちゃったわね。

えっ?

小さなころは、あんなに泣き虫の女の子だったのに。
今では、セレスティア王国の立派な女王様だもんね。
お姉さんとして、すごく、誇らしく思うわ。

ソティナさん。

ファラちゃんがそのつもりなら、お姉さんは全力を尽くすだけよ。
帝国が女神クラヴィスの力を手に入れるの、絶対に阻止しましょ。

はい。

──ファラちゃんはお姉さんの誇りよ。──


※ファラ編  一国を率いている身ですからね!


第十五章

ソティナさん。

あら、まだ起きてたの?
ファラちゃん。
緊張してるのはわかるけど、早く眠らなきゃダメよ。

ソティナさん、私、不安で仕方ないんです。
帝国は、いまだ強大です。
私達なんかで、勝てるかどうか…。

大丈夫よ、ファラちゃん。
絶対に勝てるから。
ファラちゃんは、これまでたくさんつらい思いをしてきたわ。
だけど、負けずにがんばってここまできたのよ。
お姉さんね、神様ってそんなに意地悪じゃないと思うの。
だから、明日も絶対に勝てる。お姉さんはそう信じてるな。

フフフ、ソティナさんらしいですね。
でも、私もそう思う事にします。心配ばかりしても仕方ないから。

うんうん、それがいいわ。
頼りないお姉さんだけど、いつも側にいるから…。
だから、がんばろうね。
ファラちゃん。

──お姉さんが側にいるからね。──


※ファラ編  頼りない自覚、あったのか……。


第十六章

ファラちゃん、まずは心をこめて言うわね。
おめでと〜〜〜!
これで、戦争は終わり。
平和を取り戻したのよ。

でも、まだまだやらなくちゃいけない事がたくさんあります。
ランカスタの民が帝国の民に受け入れられるように…。
ディランと一緒に、がんばっていかないと。

大丈夫、あなた達ふたりなら必ずできるわ。
ああ、こんなに素敵な妹と弟がいてお姉さんとっても幸せよ。

ソティナさん。

もちろん、これからだってお姉さん、いくらでも協力しちゃうから。
遠慮なく、頼ってね。

はい。

──お姉さん、はりきっちゃうからね!──


※ファラ編  私もファラとディランみたいな弟妹だったら欲しいなぁ…。

第十八章

ファラちゃん、きっと眠れないんだろうなって思って来ちゃった。
お姉さんのカン、当たっちゃったね。

ソティナさんは、もしかして気付いてたんですか?
私に、女神ファーライトの魂が宿ってるってこと。

どうしてそう思うの?

だって、ソティナさん。
私に宝珠を持たせたじゃないですか。

さすがね、ファラちゃん。
でも、気付いてたわけじゃないのよ。お姉さんそんなにかしこくないもの。
ただ何となく、こう思ったの。
宝珠が輝いたのは、ファラちゃんが女神みたいに心がキレイだったから。
だから、ファラちゃんが持ってれば、また奇跡は起こるんじゃないか。
それだけなのよ、ファラちゃん。

アハハ、それってものすごくソティナさんらしいですね。
でも、うれしいです。
ソティナさんがそう思ってくれてたなんて。

ファラちゃんになら、きっとファーライト様の魂も力を貸してくれるはずよ。
明日は、お姉さんと一緒にがんばりましょ。

はい、ソティナさん。

──あなたはあなたよ、それを忘れないでね。──


  ◇  ◇  ◇ 


やっと戦いが終わったと思ってたのに。
最後の最後に、こんなすごい戦いが待ってたなんてね。

相手は女神クラヴィス。
本当に、すごい戦いですね。

でもね、ディラン君。
お姉さんそんなに怖くないの。
だって、ディラン君が一緒だから。
お姉さんの大好きな、ディラン君と、一緒だから。

ソティナさん…。

ディラン君って、どんなに困難な戦いでも決してひるまないでしょ。
そんなディラン君にお姉さん、たくさん勇気をもらったのよ。
だから、明日の戦いはがんばれるの。
ディラン君、最後の戦いが終わって、世界が平和になったら。
その時は私、お姉さんを卒業してもいいかな?
お姉さんとしてじゃなく、普通の女の子として、私を見て、くれるかな?


――お姉さんを、普通の女の子にしてね。約束よ。――


※ファラ編  神官なのにカンでうごくソティナさん(笑)。
※ディラン編 可愛いなぁソティナさん。でもソティナさんをお姉さんだと思った事はないよ!

ED

神殿を出て、ずいぶん経っちゃってるわね。
お姉さん、ちゃんとお仕事覚えてるかな?

しっかりしてください、ソティナさん。
今日からソティナさんは、ファーライト神殿の神官長なんですから。

本当にいいの?
お姉さんなんかにそんな大役を任せちゃって。

ソティナさんだから、任せられるんです。
平和な世界のために、女神の伝説を伝えていってくださいね。

ありがとう、お姉さんがんばるわね。
でも、よく考えてみると女神ファーライトってファラちゃんの事なのよね。
だったら、ご神体はファラちゃんって事になるのかしら?

そんな事ないですよ。
私は、今はもう普通の人間なんですから。

そうだったわね、ファラちゃんは、人間として生きていくって決めたのね。
お姉さん、うれしかったな。
ファラちゃんが、ファスティアナに帰ったりしないでくれて。
だって、ファラちゃんは私の大切な妹だもの。
いなくなっちゃったら、お姉さん寂しくて寂しくてたまらないわ。

ソティナさん…。

ファラちゃん、女王としてこれから大変だと思うけど、がんばってね。
お姉さんも、精一杯協力するからね。

はい、ありがとうございます。
よろしくお願いします。
ソティナさん…ううん、私の大好きな、お姉さん!

ファラちゃんがそう呼んでくれるなんて。
感動だわ〜!

──お姉さんは、ずっとお姉さんだからね。ファラちゃん。──


  ◇  ◇  ◇ 


ここも、今日でお別れか。

あ、ディラン君。
迎えにきてくれたの?

王国に用事があったので、そのついでに。

ムリしなくても良かったのに。
ディラン君は今や帝国の皇帝陛下なんだから、ものすごく、忙しいんでしょ?

ハハ、確かにそうですね。

やっぱり、お姉さんが行く事にして正解だったな。
ディラン君が倒れたりしないように、ちゃんと手助けしてあげないと。

ソティナさん、今さらなんですけど、いいんですか?
神殿の神官をやめて、帝国で暮らすなんて。

いいのいいの。
神官だったら新しい人を見つければいいだけだし。
お姉さんは、ディラン君のお手伝いをしたいの。
もしかして、迷惑?

そんな事ないです。
ソティナさんが一緒だなんて、俺すごくうれしいです。

本当? 良かった。
それじゃ、行こ。

そうだ、言い忘れてた。
お姉さんね、決めた事があるの。

何ですか?

もう、ディラン君の前で自分の事、お姉さんって言わないようにしようって。

えっ、どうしてですか?

だって、ディラン君は皇帝陛下になっちゃったし…。
いつまでも、お姉さんぶってられないなって思ったの。
それに、もうお姉さんでいるのは嫌になっちゃったから。
ひとりの女の子として、ディラン君に見てもらいたいから。
大好きな、ディラン君には。

ソティナさん…。

あはは、お姉さん何てこと言ってるのかしら。
いきなりすぎるよね。
とにかく、お姉さんは帝国へ行くの。
そこで、ディラン君を精一杯手助けするんだから。
それが、お姉さんのやりたい事なんだから。
うん、うん。


――お姉さん、お姉さんを卒業するね。――


※ファラ編  やっぱり「おねえさん」って言ってるの自分だけだったんだ!
※ディラン編 そして初日に城で迷子になるわけですな。『うんうん』という台詞さえなけりゃこのEDはかなり好きだった…。



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