サモナイX・夜会話集

〜ガーリット〜


第零章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章・前 第六章・後 第七章 第八章 第九章 第十章
 第十一章 第十二章 第十四章 第十五章 第十六章 第十八章 ED



第零章

ファラ様、こんな所におられたのですか。

ちょっと疲れちゃって、休んでたの。
こんなんじゃ、王女失格だよね。

そんな事ありませんよ、ファラ様。
あんなにもたくさんの人がいるんです。誰だって疲れてしまいます。
どうぞ、何も心配なさらず休んでいてください。
私がうまく説明しておきます。

ありがと、ガーリット。
いつもいつも助けてもらっちゃって。

王国に、そしてファラ様に受けた恩を思えば、これぐらい当然です。
私は王国に、そしてファラ様に返しきれないくらいの恩があるのですから。
召喚戦争で身寄りを失った私は、10年前、食べ物欲しさにセレスティア城に忍び込み、捕らえられました。
そんな私を、かばい城で働かせてもらえるよう陛下に頼んでくれたのは、他ならぬ、ファラ様です。
私は、一生をかけてこの恩を返していくつもりです。
それでは、失礼します。


ありがとう、ガーリット。

――今の私があるのは、あなたのおかげです。――

  ◇  ◇  ◇ 


ガーリットじゃないか。

こんな所にいたのか。
ディラン。
陛下がお探しだ。
早く戻ってこい。いいな。


待ってくれ、ガーリット。
最後なんだ。少しだけ、話をしないか?

お前と話す事など何もない。

ガーリット。君が俺や帝国を嫌っている事は知っている。
戦争中、帝国がランカスタの民にした事を考えれば、それも当然の事だ。
すまないと、思っている。

お前が頭を下げたくらいですむと思っているのか?
帝国が、私達ランカスタの民にした事は、そんな軽いものではない!
本当に、お前がランカスタの民にすまないと思うなら、未だに私達を亜人とさげすむあの国を、変えてみせるんだな!

言われなくてもそのつもりだ。
ガーリット。約束するよ。
俺は、帝国を変える。
ランカスタの民を受け入れる事のできる国にしてみせる。

…期待はしないが、待っている。


見ててくれ、ガーリット。


――お前の覚悟、見せてもらうぞ。――


ファラ編  それであんな小さい子供の頃から近衛兵の真似事してたのね……。
ディラン編 ファラ編とのあまりの落差に逆に笑いがこみ上げました。


第二章

ファラ様が、外に行かれるのが見えたので。

ごめんね、ガーリット。
心配かけちゃって。


ファラ様、本当に申しわけありません。

えっ?

私が、陛下の側を離れなければ、あんな事には…。
私には、王国近衛兵を名乗る資格はありません。

ううん、ガーリットが悪いんじゃないわ。
仕方のない事なの。
だって、誰も想像できないでしょ。
お兄様が、あんな事をするなんて…。


ファラ様…。

ガーリット、私、どうしたらいいのかな?
お父様もいなくなって、王国もなくなって、私これからどうしたら…。


生きましょう、ファラ様。

えっ?

陛下のお言葉どおり、行きのびましょう。
この命に代えても、ファラ様は私がお守りします。
だから、生きてください。

ありがとう、ガーリット。


――生きてください、ファラ様。――

  ◇  ◇  ◇ 


ガーリット!
眠らないのか?

少し休んだ。もう十分だ。
帝国の追っ手が心配だ。
見張っていなければ。

ガーリット、見張りは俺がやる。
君は休んでいてくれよ。

お前に任せるわけにはいかない。

どうしてだ?

…ディラン。確かにお前は、陛下やファラ様を助けるため城に駆けつけた。
だが、まだ本当にお前を信用していいのか、分からないんだ。

…ガーリット。
君がそう思うのも仕方のない事だ。
だけど、これだけは分かってくれ。
俺は絶対に、ファラや陛下を裏切るような事はしない。
絶対にだ。

…分かった。

見張りは交代でしよう。
もう少し休んだらまた来る。

ありがとう、ガーリット。

お前のためじゃない。
ファラ様の安全のためだ。


――今はお前の事を信じよう。――


ファラ編  別に側を離れてサボってたわけじゃないのに…と、ディラン編をクリアした今は思う。
ディラン編 かなり年下なのにディランが『君』って呼ぶのが何気に気になる今日この頃。


第三章

ファラ様、まだお休みになられないのですか?

うん、もうちょっと景色を眺めていたいから。
ステキな眺めよね。

人間とランカスタが共同で作り上げた商業都市、アークランド。
この美しい街を、帝国の好きにはさせません。
ローングランドの戦士達と協力し、この街を…。
そして、ファラ様をお守りします。

ありがとう、ガーリット。
でもね、ムリはしなくてもいいんだよ。
もう、セレスティアはなくなっちゃったし…。
ガーリットも、いつまでも近衛兵としての務めに囚われる事はないんだから。

何をおっしゃってるんですか!
私は近衛兵だからここにいるわけではありません!
近衛兵である事は関係なく、私が、お守りしたいんです!

ガーリット…。

す、すみません。
声を荒げてしまい。
失礼、します。
ファラ様。


ありがとう、本当にありがとう。
ガーリット。

――私があなたをお守りします。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。『特別室』の話を聞いたぞ。
とんだ災難だったな。

全くだよ。だけど、そのおかげでバーム様の危機を知ったんだ。
運が良かったって、今では思ってる。

その事で、一応、言っておく。
ありが…とう。


君に礼を言われるなんて、何だか照れるな。

誤解をするなよ。ディラン。
別にお前が来なくても、問題なかったんだぞ。
バーム様は、私とファラ様とで助けられたはずだ。
ただ、お前がランカスタの民を救うために尽力したこと。
それに対して、礼を言ったまでだ。
じゃあな、ディラン。

(それでも、お礼を言われてうれしかったよ。ガーリット)
(明日、雨が降らなければいいけどな)


――別に、お前の事を認めたわけではないのだからな。――


※ファラ編  この発言は何気にガーリットにヒドイ……(苦笑)。
※ディラン編 段々ツンデレの匂いがしてきた(笑)。

第四章

ファラ様、お体の具合は大丈夫ですか?

えっ、どうして?

白き宝珠が光った時、宝珠はファラ様の手の中にありました。
なので、何か身体に異変はないかと心配になって。

大丈夫、私は何ともないわ。
ガーリットって心配性なんだから。

そうですか、それならば良いのですが。

白き宝珠から出た光はね、温かくて、優しくて、安心できるような光だったわ。
フフ、まるでガーリットみたいだね。

えっ?

だって、そうでしょ?
ガーリットは、温かくて優しくて、側にいてくれると、安心できるもの。

ファラ様…。

ん、どうしたの?
ガーリット、顔が赤いけど。
ガーリットの方こそ、具合が悪いんじゃないの?
ちょっとおでこ出して、熱があるか、みてみるから。

だ、大丈夫です。
失礼します!

ガーリット、どうしちゃったんだろ?

――あなたの笑顔を、守って見せます。――


罪な人……!(笑)

第五章

お部屋をノックしたのですが、いらっしゃらないようでしたので。
やはり、ここでしたか。

どうしたの?
ガーリット。

ファラ様、実はバーム様とも相談したのですが…。
アークランドを、離れる事にしませんか?

えっ!?

帝国が、あのように大規模な襲撃を仕掛けてくる以上、もはやアークランドも安全ではありません。
どこか、別の場所に身を潜めた方が良いのではないかと。

心配してくれてありがとう。ガーリット。
だけど、それはできないわ。
アークランドが危険にさらされているのに私だけ逃げるなんてダメよ。
それに、どこに逃げたって帝国は追ってくる。そうでしょ?

確かに、そのとおりですが…。

逃げているだけではもうどうしようもない。
帝国と、戦わなくちゃって思うの。

ファラ様がそのつもりなら、私はもう何も言いません。
一緒に戦いましょう。ファラ様。

ありがとう、ガーリット。

――あなたと共に戦いましょう。――


  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。
まだ起きていたのか?

ガーリットこそ、どうしたんだ?

少し、考え事がしたくてな。
帝国の襲撃は、これからも続くだろう。
このままアークランドにいる事が、ファラ様の安全と言えるだろうか?

ガーリット。俺も同じ事を考えていた。
帝国の襲撃に対抗し続けるだけではダメなような気がするんだ。

だったら、どうするんだ?

それが分かれば、悩んで起きてたりしないよ。

頼りない皇子だな。
いや、もう皇子ではないか。
皇帝グロッケンは、お前をも始末するよう命令したのだからな。
帝国を飛び出した事、後悔しているか?

後悔は少しもしていない。
自分の選択に、誇りを持っている。

ディラン、お前は私が思っていたよりも、大した男なのかもな。

えっ?

いや、何でもない。
気にするな。


――お前の事、誤解していたのかもしれないな。――


※ファラ編 ガーリットの立ち位置って庇護者ではあるけど行動は自由にさせているのが特徴ですよね。
       信頼してるのか妄信なのか……。
※ディラン編 この辺りからディランに対する辺りがちょろっと柔らかくなって正直物足りない(笑)。


第六章・前

ファラ様、明日の戦いが控えております。
早くお休みになられた方が。

うん、分かってるんだけどね。
怖くて、眠れないんだ。
ガーリット、私達勝てるかな?
あんなに強い帝国を相手に、ちゃんと戦えるかな?

大丈夫ですよ、ファラ様。
私達は勝ちます。
想いの強さが違いますから。

想い?

はい、私達も、そしてハーディン砦で捕虜になっている王国の仲間達も…。
王国を愛し、戻りたいと思っています。
その想いが、侵略者などに負けるはずがありません。

そっか、そうだよね。ガーリット。

私が、ファラ様を最後までお守りします。
私達の王国を、取り戻しましょう。ファラ様。

――私達の想いが、負けるはずありません。――

  ◇  ◇  ◇ 


今日は危ないところだったな。
ディラン。

ああ、助けにきてくれてありがとう、ガーリット。
助かったよ。

別にお前が帝国に捕まろうが私には関係ない。
だが、それでは王都の情報が手に入らないからな。
それで仕方なく…だ。

ああ、分かってるさ。

ディラン。
明日の作戦だが、勝算はあるのか?

ガーリット、君はどう思う?

正直、五分五分といったところだろう。
だが、ファラ様のためにも、絶対に負ける事は許されない。

俺も、同じ気持ちだ。
だからこそガーリット、君の力を貸してくれ。

セレスティアは私の国。
力を借りるのは、私の方だな。
ディラン。私から、頼む。
共に、戦おう。

ああ、必ず王都を取り戻そう!


――ディラン、明日は共に戦おう!――


※ファラ編  おお、自信満々ですな、ガーリット。
※ディラン編 いつの間にかこんなに仲良しに……。


第六章・後

ファラ様、まだお休みになられないのですか?

うん、女王になるって事を考えてたの。
王女として、引き受けるべきだって分かってる。
国のみんなを導いていかなきゃって。
でも、不安なの。
ううん、怖いの。

ファラ様…。
それならば、断りましょう。

えっ!?

ファラ様が女王になられる事を、私は望んでいます。
ですがそれ以上に、ファラ様に苦しんで欲しくないのです。
ファラ様は、もう十分苦しみました。
もう、これ以上は…。

ガーリット。

出すぎた事を言ってすみませんでした。
失礼します。

(ガーリットは、あんなにも私の事を心配してくれている)
(いつまでも、それに甘えてちゃいけないよね、やっぱり)
(ガーリット、私、決心がついたよ)

――あなたが苦しむのは、もう見たくない。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。国王の事、どうするつもりなんだ?

まだ、考えてる。
だけど、ガーリット。
君が言ったとおりだ。
帝国の皇子である俺がセレスティアの国王だなんて問題だと思う。

ディラン。お前にひとつだけ、確認したい。
それは、お前の覚悟だ。

俺の覚悟?

お前は、自分の国と、実の父親と、戦う覚悟ができているのか?

帝国と戦う覚悟なら、できている。王都で、初めて帝国兵と戦った時から。

なら…それなら…。

ディラン。セレスティアの国王になってくれ。

えええっ!

あれから、私もよく考えた。
認めたくはないが、ファラ様の言葉は正しい。
国王には、やはりお前がふさわしいと思う。

ガーリット。

ファラ様のため、セレスティアのため、あの話、引き受けてくれ。
頼むぞ、ディラン。


(ガーリットも、俺が国王にふさわしいと思ってくれているのか。
 ありがとう。ガーリット。おかげで、決心がついたよ)


――お前の事を信用しているぞ。――


※ファラ編  即答……!
        心底この人ファラ至上主義ですなぁ。
※ディラン編 これだけ見ればいい話だけどファラ編を見た後だと単にファラに重荷を背負わしたくないのかと邪推(笑)。


第七章

どうしたの?
ガーリット。

宿屋に、ファラ様の姿がなかったので。

わざわざ、探しにきてくれたのね。ありがとう。

ファラ様、ノイン王子は洗脳されていたんですね。

そう、お兄様は洗脳されていた。
帝国に味方して、お父様を襲ったのは本心じゃなかったのよ。

ノイン王子を利用して、あんな事をさせるなんて。
私は、帝国を絶対に許しません。
ファラ様、帝国を倒しノイン王子を助けましょう。
亡くなった陛下のためにも、そうしなければなりません。

ありがとう、ガーリット。


――あなたを苦しめる帝国を、許さない。――

  ◇  ◇  ◇ 


宿屋に戻らないのか?
休める時に休んでおかないと明日がつらいぞ。

そうだな。
休んでおかないと…。

ディラン。今日の事を悔やんでいるんだろ?
実験を阻止できなかったのは自分の責任だとでも、思っているのか?
だとしたら、それはうぬぼれだぞ。ディラン。

ガーリット。

お前ひとりで、どうにかなった問題じゃないだろう。
私達は全力を尽くした。
だが、間に合わなかった。
誰の責任という話ではない。
悔やむ時間があったら、さっさと眠って体を休めろ。
分かったな? ディラン。

ああ、分かったよ。
ガーリット、ありがとう。

お、お礼なんて別にいい。
私は、当たり前の事を言っただけだ。


ガーリットの言うとおりだ。
早く休んで、明日に備えなきゃな。


――時には休むことも大事だぞ。――


※ファラ編  ここ、ファラがけなげでほろりときます。
        けどノインが父親を殺したって事実は覆らないんですよね……。
        そしてここでそういやノインとガーリットは友人だったと思い出す。
※ディラン編 おお、年上っていうかお兄ちゃんっぽい!(笑)


第八章

まだ、お休みになられないのですか?
ファラ様。

うん、もうちょっとだけ起きてるわ。
だって、こうやって空を飛ぶ経験なんて貴重だもの。

そう、ですか。

空を飛ぶって、すごく気持ちのいい事なのね。
ねえ、ガーリットが初めて空を飛んだ時の事を教えてくれない?

そうですね、あれはまだ私が幼いころでした。
なかなか空を飛べるようにならない私を心配して、父が、高台に連れていってくれたのです。
そこで、風に乗るという事を父から教わりました。
父との思い出は、それだけです。
その後、すぐに召喚戦争が始まり、父は命を落としました。

そうだったんだ。
ごめんね、おかしな質問しちゃって。

いいえ、そんな事はありません。
ファラ様に思い出話ができて、私はうれしかったです。
これからも、遠慮なく聞いてください。

だったら、本当に遠慮しないよ。
ガーリット。

はい、ファラ様。


――あなたと、いつまでも話していたい………。――

  ◇  ◇  ◇ 


気をつけろよ。ディラン。
翼のないお前は、落ちたら終わりだからな。

大丈夫だよ。注意してるさ。
なあ、ガーリット。
俺、ランカスタの民に生まれたかったよ。

何の冗談だ?

冗談なんかじゃないよ。
だって、ランカスタの民なら、自分の羽根で、こうやって空を飛べるじゃないか。
それが、うらやましいんだ。

さすがに、ハインラインのようには飛べない。
こんなにも、高く、早く、長時間は不可能だ。
翼がどうにかなってしまう。
だけど、人間であるお前がランカスタの翼をうらやましいと言うとはな。
フフフ、少しだけいい気分だ。
じゃあな、ディラン。
先に休んでいるぞ。


(人間がランカスタを嫌っていたのは、彼らが、自分達にない魅力を持っていたからなのかもしれないな)


――お前に翼があれば、一緒に飛べるのにな。――


※ファラ編  飛ぶの遅かったんだ、ガーリット。
        そしてその後すぐ王宮に忍び込んで運命の出会いをするわけですな!
※ディラン編 思った事を率直に言っちゃうのはディランの長所ですよね。


第九章

ファラ様、今日はありがとうございました。
また、ファラ様に助けられてしまいました。

違うよ、ガーリット。
私達を助けてくれたのは、宝珠の力とあくり〜んちゃん。

いいえ、ファラ様が宝珠に願ったからこそ、奇跡は起こったのだと思います。
ありがとうございました。ファラ様。

そう言われると、何だか照れちゃうね。

だけど、あの少女は一体何者なのでしょうか?
女神アクリーンと同じ名前なのが、少し気になります。

ガーリットも?

ええ、まさか女神アクリーン本人という事はないでしょうが。
何か、関係があるのかもしれませんね。

悪い子じゃないのは確かだし、しばらく一緒にいて様子を見ましょ。
大丈夫よ、面倒は私がちゃんとみるから。

いいえ、ファラ様だけに任せるわけにはいきません。
私でよければ、いくらでも力をお貸しします。
それでは、失礼します。



ガーリットが、あくり〜んちゃんと遊んであげてる姿。
フフフ、ちょっと見てみたいな。


――私にあくり〜んの相手を………がんばります。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。帝国は何をたくらんでいるんだろうな?
マナの門を破壊して、帝国にどんな利点があるのか私には分からないんだ。

ガーリット。
俺も全く同じ考えだ。
あれは、下手をしたら帝国の民すら巻き込みかねない行為だ。
父、いや、皇帝グロッケンは何をしようとしているんだ?

それに、グラナードという男が見せた、あの不可解な力も気になる。
帝国が編み出した、新しい召喚術の力なのだろうか?

そう考えると、これからの戦いが少し不安になる。

弱気になるな、ディラン。
もう、後戻りはできないのだからな。
帝国がどんな事をたくらんでいたとしても、私達は負けられない。
セレスティア、いやこのルーンハイムに、平和を取り戻すために、引き続き、尽力しよう。

ああ、ガーリット。
共にがんばろう。


――私達は前に進むしかないんだ。――


※ファラ編  え、なに、ガーリット子供苦手?
        逆に意外だよ?
※ディラン編 すっかり仲良くなって若干寂しい(笑)。


第十章

ファラ様、大丈夫ですか?
先ほどお会いした時に、思いつめたような顔をしてらっしゃったので…。

ありがとう、心配してくれて。
ファングさんの事、考えてたの。
悲しい過去を背負ってるんだなって。
でも、ファングさんだけじゃないんだよね。
ガーリットも、召喚戦争の時に家族を失って、ひとりぼっちになっちゃったんだよね。

そうです。でも、もう過ぎた事ですから。
今は、こうやってファラ様のお側にいられます。
だから、私は過去を振り返ったりはしませんよ。

ガーリットは強いんだね。

そう考えられるようになったのも、ファラ様や陛下のおかげです。
王国の未来のため、私は戦います。
亡き陛下のため、そして、ファラ様のために。

ガーリット…。


――私はひとりではありません。あなたが、いるから。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。何をしているんだ?

少し、考え事をしていたんだ。
ファングが、アメリアを憎むように、俺も誰かに憎まれているんだろうなって。

どういう事だ?

俺は今、帝国と戦っている。
その戦いで命を落とした帝国兵もいるだろう。
その家族は、悲しみの中で俺を憎んでいる。
そう思ったんだ。

そんな、当たり前の事を考えていたのか。
戦争とは、そういう物だろう。

ああ、分かってる。
分かってるけど…。

ディラン。私も、お前を憎んだ。
お前だけじゃない。
すべての帝国兵を、帝国の人間を憎んだ。
私の家族も、あの戦争で命を落としたのだから。

ガーリット。

だが、今はお前を憎んではいない。
お前の事も、頼もしい仲間だと思っている。
今、お前を憎んでいる人間がいたとしても、いつかはきっと、分ってくれるはずだ。
だから、気にするな。
お前は間違っていない。
それだけは、私が保証する。


(ありがとう、ガーリット。
 もう、俺は迷ったりしない。信じて、戦い続けるよ)


――私がお前を認める………それでいいだろう?――


ファラ編  これってめぐり合わせですよね。
       同じ戦災孤児だけどファラに巡り合ったガーリットと、復讐を誓うことで生き延びたファング。
       切ない……。
ディラン編 さすが一応兵なだけあってガーリットにはその手の覚悟はあるんですね。


第十一章

ファラ様、お怪我がなくて何よりでした。

ガーリット、今日はごめんね。
私のわがままで、危険な目に遭わせちゃって。

謝らないでください。
こうやって無事に戻ってきたのですから。
それに、ノイン王子を助けにいくのは、ファラ様のわがままじゃありませんよ。
セレスティアの民としての、私の願いでもありました。
だから、私はとてもうれしく思っています。
ノイン王子の洗脳が解け、城に戻ってきた事を。

ありがとう、ガーリット。

ファラ様、ノイン王子と共に、帝国と戦いましょう。
そして、また元の平和な王国を取り戻すのです。
そのために、私はこれまで以上に尽力するつもりです。

お兄様がいてくれるなら、きっとできるよね。
がんばりましょ、ガーリット。


――あなたの為に、力を尽くしましょう。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン。今日は、すまなかったな。
ファラ様と、勝手に古城に向かってしまって。

別にいいんだ。
こうやって、ノイン王子を助けられたんだから。
しかも、洗脳もキレイに解けたようだしな。

ディラン。ノイン王子に、洗脳中の記憶がない事は知っているだろ?
当然、帝国の刺客として働いた事も…。

そうみたいだな。

ディラン! 私の頼みを、聞いてくれ!
ノイン王子が、陛下の命を奪った事、秘密にしてくれ!
あの事を知っているのは、私とディラン、ファラ様とムームーしかいない。
隠し通せるはずだ。いや、そうしなければならない!
きっと、陛下もそれを望んでいるはずだ!
頼む、ディラン。

あれは、城に攻め込んできた帝国兵の仕業だった。

え?

あれは、城に攻め込んできた帝国兵の仕業だった!
それが、真実なんだ。

…感謝する。ディラン。


(これが、一番いい方法なんだ。絶対に…)


――ディラン………心から礼を言うぞ。――


※ファラ編  この時のノインに関しては色々思うところがあるんですが、
        とりあえずガーリットとしては旧友が無事戻ってきた事は嬉しいんでしょうね。
※ディラン編 だーかーらー、必ずしも黙っているのが良策とは……。


第十二章

ガーリット…。

ここにおられましたか、ファラ様。
みんな心配しています。
城に、戻りましょう。

ガーリット、私はお城には戻れないわ。

どうしてですか?

だって、私もうがんばれないもの。
全身から力が抜けちゃって、もう何もできないもの。
みんなの迷惑にしか、ならないもの。

誰も、ファラ様を迷惑だなんて思いません!

えっ?

あんな事があったのです。
力が抜けてしまうのも仕方ありません。
ファラ様は、休んでいてください。
私が、ファラ様の分まで戦います。
だから、城にお戻りください。
ここで、ファラ様にまでもしもの事があったら、私は…。

ごめん…ね。ガーリット。
つらいのは、私だけじゃなかったものね。
うん、私はもう大丈夫。
お城に戻ろ。
お父様やお兄様、それに、心配してくれるガーリットのためにも。
私は、がんばるわ。

ありがとうございます、ファラ様。


――あなたの悲しみは、私の悲しみなのです。――

  ◇  ◇  ◇ 


まだ、起きてたのか?

ファラ様の気持ちを考えると、とても眠れないんだ。

そうだな。陛下を亡くして、その次はノイン王子だ。
あまりにも、悲しすぎる。

ファラ様は、大丈夫だろうか?

えっ?

このまま、悲しみに囚われ立ち直れなくなってしまうのではないか?
それを、私は心配している。

そうなっても、不思議はない。
だけど、俺は大丈夫だと思う。
ファラは、見かけよりもずっとずっと強い。
ノイン王子の死も、乗り越えてくれるだろう。

そうならいいが。

ファラを信じよう、ガーリット。


――ディラン、私達を支えてくれ。――


※ファラ編  そういえばガーリットとノインは友人だったな、とこの会話を聞いてやっと思い出したヒドイ人が一人。
        けど実際のところファラと悲しみを分かち合えるのはガーリットだけなんですよね。
        他の人は同情は出来てもノインの死に悲しみを抱けるほど関わってないから……。
※ディラン編 そしてその設定はファラ編でしか出ないんだっけ、とディラン編で再び思う。


第十四章

オヴァドが近づいたせいで、いつもより明るく感じますね。
このまま、何もしなければ帝国は女神クラヴィスの力を手に入れるのですね。
今度こそ本当に。

そんな事をさせたら王国が…ううん、帝国の民だって幸せにはなれない。
絶対に、阻止しないと。

ファラ様は、本当にお優しい方ですね。
こんな時なのにもかかわらず、帝国の民の事も心配なさるなんて。

女王として、これじゃ失格かな?

いいえ、そんなファラ様だからこそ、みんながついてきていると思います。
そんなファラ様だからこそ、私もあなたの事を…。
ファラ様、私はずっと帝国の事が嫌いでした。
ですが、ファラ様と一緒にいて、大切な事を学びました。
憎んでいるだけでは前へは進めないという事を。
この戦いに勝利し、王国と帝国、両方の民が幸せに暮らせる。
そんな世界を、目指しましょう。

うん、ガーリット。


――あなたと幸せな世界を作りたい。――

  ◇  ◇  ◇ 


ディラン…。
少し、お前と話がしたいと思って…な。

珍しいな。
ガーリットが俺に話だなんて。

皇帝グロッケンは、私達の敵だった。
しかし、ディラン。
お前の父親であるのも、紛れもない事実だ。
こういった場合、何て言うべきなのか、私にはわからないが…。
ディラン、あまり気を落とすなよ。

ありがとう、ガーリット。
心配いらない。俺は、大丈夫だ。

帝国と、本格的に戦うつもりなのか?

ああ、もうそれしかない。
俺は帝国と、ラディウスと、戦うつもりだ。

そうか、なら私も覚悟を決めよう。

反対しないのか?

反対などするか。
お前が決めた事だからな。
昔は、いろいろと反感を持っていたが、今は、お前の事を信頼している。
大切な…仲間としてな。
明日も忙しい。
早く休むんだぞ。


ガーリット…、お前も俺の大切な仲間だ。
これからも、頼む。


――ディラン、お前は最高の仲間だ。――


※ファラ編  ガーリット、自分で甘い雰囲気になりそうな空気をぶった切りましたな!
※ディラン編 …………『昔は』? ついこないだまでだろ!


第十五章

ディラン。いよいよ明日だな。

ああ、そうだ。

まさか、こんな日が来るとは思ってもなかった。
あの帝国と、真正面から戦える日が来るなんて。
これも、お前の力だ。
ありがとう。

何を言ってるんだガーリット。俺だけの力じゃ、ここまでこられなかった。
ガーリットをはじめ、たくさんの仲間がいたから何とかやってこられたんだ。

明日の戦いには、もちろん勝たなければならない。
だが、それもいい事ばかりとは言えないのかもな。

えっ?

そうなったら、ディラン。
お前と別れなければならないからな。

ガーリット。

おかしな事を言って、すまなかった。
帝国との最終決戦、必ず勝とう。
王国、帝国、そしてランカスタの未来のために。


――お前と別れる日など、来なければいいのに。――


※ディラン編 え、あれ、何この雰囲気。


第十六章

まだ、信じられません。
私が、帝国の城に泊まっているなんて。

でも、本当なんだよ。
もう戦争は終わって、帝国は敵じゃないんだから。

そうでしたね。
本当に、喜ばしい事です。

これから忙しくなるね。
戦いは終わっても、女王の仕事はたくさんだもの。

私も、お手伝いいたします。
どうぞ、ご安心を。

ガーリット、もういいんだよ。

えっ?

ガーリットは、これまでずっと王国のため、私のためにがんばってくれた。
だから、もう自分の好きな事をしていいんだよ。

私の好きなこと…。
それならばやはり、お手伝いをさせていただきます。
ファラ様のお力になる。
それが、私の一番好きな事なのですから。

本当に…いいの?

はい、かまいません。

だったら、これからも頼っちゃうよ。ガーリットのこと。

そうしていただけると、私もうれしいです。
あなたが必要としてくれる限り私は、あなたの側にいます。
それが、私の喜びなのです。


――あなたの側にいる事が、私の喜びです。――

  ◇  ◇  ◇ 


長い戦いも、これで終わりだな。ディラン。

ああ、そうだな。
これまでありがとう。
ガーリット。
君がいてくれた事が、本当に心強かったよ。

お礼を言わなければならないのは、私だ。
ここまで、私達を導いてくれたこと。
心から感謝する。
そして、私からの最後の頼みだ。
私達ランカスタの民も自由に遊びにこられる国に、この帝国を変えてくれ。
そうでなければ、お前に会いにこられないからな。

ガーリット…分かったよ。
俺は皇帝として、帝国をそんな国にする。
だから、いつでも遊びにきてくれ。

約束だぞ、ディラン。


――ディラン、お前は私の誇りだ。――


※ファラ編  ファラ、わかってねぇ!(笑)
※ディラン編 すっかり仲良し……。


第十八章

ファラ様、やはりここにおられましたか。
明日の女神クラヴィスとの戦いを、心配しておられるのでしょう。

うん。でも、それだけじゃないの。
私に宿る女神ファーライトの魂が覚醒したら、どうなっちゃうのかなって…。
ちょっとだけ、不安になってたんだ。
今こうやってガーリットと話してる私は、消えちゃうのかなって。

もし、女神ファーライトが覚醒し、その結果ファラ様が消えてしまう事があったら。
私は、女神ファーライトに戦いを挑むでしょう。
愛する女性、ファラ様、あなたを取り戻すために。

ガーリット…。

ファラ様、ご安心ください。
どんな事になっても、この私がお救いします。

必ず…。
そうだね、ガーリットがいてくれれば、怖くないよね。
どんな時だって、ガーリットは私を助けてくれたんだから。
ありがとう、ガーリット。
私、何の心配もしないでがんばれるよ。
明日の戦いに勝って、一緒にお城に戻ってこよ、ガーリット。

はい、ファラ様。


――この命に代えて、愛するあなたをお守りします。――


  ◇  ◇  ◇ 


とんでもない事になったものだな。ディラン。
女神クラヴィスが、オヴァドをルーンハイムに衝突させようとしてるなんて。

女神クラヴィスの気持ちは分からなくもない。
だけど、今ルーンハイムに生きる命を、消し去っていいはずがない。
俺は、女神クラヴィスと戦う。そして、今度こそ平和を手に入れる。

ディラン、私はお前の背中をついていく。
だから頼む、私達を勝利に導いてくれ。
お前なら、できるような気がするんだ。
私が心から信頼する、お前ならば…。

ガーリット。それは俺の台詞だ。俺は君と一緒なら、勝てる気がする。
戦おう。ガーリット。
俺達の未来のために。

――お前のためなら、この命、惜しくない。――


※ファラ編  オイ! いつからそんなになったよアンタら!
        いきなり途中経過すっ飛ばしたかのような急展開にプレイヤーは戸惑いが隠せません。
        愛するとかストレートに言っちゃいますか、そうですか……。
※ディラン編 ファラと違って唐突感はないけど、零話を思うと随分仲良くなったなぁ……。


ED

朝からずっと会議、会議。
ちょっと、疲れちゃったな。

大丈夫ですか?
ファラ様。
お疲れのようなら、次の会議は明日に回しましょうか?

ううん、大丈夫。
ちょっと休憩して元気になったから。
みんな、国を良くしようとがんばってるんだもの。
私も休んでられないよ。

私にできる仕事であればすべて引き受けます。
ですから、どうぞごムリをなさらないように。
王国にとって、ファラ様はなくてはならない方ですから。

ありがとう。だけどそれはガーリットだって同じだよ。

えっ?

私が女王をやっていられるのも、ガーリットがいてくれるおかげ。
ガーリットの手助けがなかったら、きっと私、まいっちゃってたと思う。
王国だけじゃなく、私にとってもガーリットはなくてはならない人なんだよ。

もったいないお言葉です。
ファラ様。

でも、重荷に感じる事はないからね。
他にやりたい事があったら、遠慮なく言ってね。
いつまでも、ガーリットをひとりじめしてちゃいけないもんね。

そんな事はありませんよ。
愛する女性にひとりじめされるのであれば、文句などありません。

ガーリット…。


――一生、あなたのお側にいさせてください。ファラ様。――


  ◇  ◇  ◇ 


ディラン、次の予定は古参の大臣達との会議だ。

ふう、朝から晩まで予定がみっちりだな。
こうも忙しいと、何だか逃げ出したくなるよ。

皇帝になって日が浅いんだ。
忙しいのは仕方のない事だ。
それに、これでも私が必死に調整しているんだぞ。
お前が、体を壊さないようにな。

分かってる。ガーリットには助けられてるよ。
君がいてくれなかったら、今頃俺は、本当に逃げ出してたかもしれない。

フフ、そうだろうな。

だけどガーリット。
俺は、こんな事になるなんて思ってもなかったよ。
君が王国を出て俺の側近になってくれるなんて。

帝国がどうなるかは、私達ランカスタの民にとっても大きな問題だ。
何もしないわけには、いかないだろう。
それにディラン。
私はお前の手助けがしたかった。

王国にいたころの君を思うと、想像もできない言葉だな。

昔の事を言われると、正直、申しわけない気持ちで一杯だ。
ずっと一緒だったというのに、私はお前の事を何も分かっていなかった。
いや、お前が帝国の皇子というだけで、分かろうとしなかったんだろうな。
だけど、今はそんな事はない。
お前の素晴らしさは、私が一番よく分かっている。
誰よりもな。

君にそんな事を言われると、何だか照れるよ。
でも、本当にうれしい。
ありがとう。ガーリット。
これからも、よろしく頼む。
君の力が、俺には必要なんだ。

フフ、任せてくれ。
ディラン。

――ディラン、お前は私の最高の親友だ。――


※ファラ編  基本的に十六、十八章と中身がかぶってるのが大いに不満ー。
        正直ガーリットは前半の会話の方がツボだったな。
        あんまりストレートにすんなり甘い会話をされてもちょっとつまんない。←贅沢
※ディラン編 有能な部下を手に入れた! 本当にいつのまにやらこんなに仲良しになっちゃって。



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