サモナイX・夜会話集

〜ディラン〜


第零章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章・前 第六章・後 第七章 第八章 第九章 第十章
 議会イベント 第十一章 第十二章 第十四章 第十五章 第十六章 第十八章 ED



第零章

会場にいないと思ったら、ここにいたんだな。ファラ。

ふう、何だか疲れたよ。

フフ、ダメよ。
主役がそんなこと言っちゃ。


でも、あんなにたくさんの人が集まってくれるなんて思ってもなかったよ。

それだけ、ディランがみんなに慕われてたって事だね。

ありがたいよ、本当に。
帝国の皇子である俺を、陛下は家族として受け入れてくれた。
王国の人達だってそうだ。
みんな、俺に親切にしてくれた。
俺は、時々自分が人質である事を忘れそうになったくらいなんだ。
陛下やこの国の人達には感謝している。
もちろんファラ、君にも。

ディラン…。

俺が、どんなに冷たく接しても、君は俺を嫌いにならないでいてくれた。
俺が心を開けたのは、君がいてくれたからだ。
ファラ、ありがとう。

やめてよ、そんなお礼だなんて。
何だかもう会えないみたいじゃない。
離れ離れになっちゃうけど、私達が家族だってのは変わらないんだから。


ああ、そうだな。
これからも、よろしく。
ファラ。

うん、ディラン!

――俺が変われたのは、君のおかげだ。――


格好いいなあディラン。子供の頃あんななのに(笑)。


第二章

ファラが、外に出ていくのが見えたから。
眠れないのか?

…うん。
目を閉じると、あの時の光景が浮かんでしまって…。


すまない、ファラ。
俺がもっと早くに、王宮にたどりつけていたら…。

ううん、ディランは帝国を裏切ってまで助けにきてくれた。
それだけで、十分だよ。


ファラ…。

でも、お父様も亡くなって、お兄様も行ってしまって…。
私、これからどうすればいいのかな?
不安で不安で、たまらないよ。
ディラン。


俺がいる、ファラ。
約束する、どんなになっても俺は君の側にいて、君を助ける。
俺じゃ、陛下の代わりにはなれないかもしれないけどな。

そんな事ない、ディランがいてくれるだけで、私は心強い。
明日から、私は強くなる。
ディランがいてくれるなら、私、がんばれる。
だけど…今夜だけは泣いてもいいよね。
今夜だけは…。


ああ、もちろんだよ。

ディラン…。
ディラーン!


――ファラ、俺が側にいるから………。――


この会話、さすがメイン2人だけあってメチャクチャツボ付かれました。
頼もしいディランも格好いいし、けなげなファラもいい……。


第三章

ファラ、何をしてるんだ?

いろんな事がありすぎて、まだ落ちつかないの。
だから、ちょっと夜風に当たってたんだ。


ファラ、嘘を言わなくてもいいんだぞ。
陛下の事を、思い出していたんだろ?

………うん。
こんなんじゃ、ダメなのにね。
もっと、しっかりしなくちゃいけないのに。
私が、しっかりしなくちゃいけないのに…。


いいんだよ、ファラ。
ムリして、しっかりなんかしなくていい。
そんなファラを見る方が、俺はつらいんだ。

ディラン。

今は、ゆっくり休むんだ。
何の心配もしなくていい。
俺で良かったら、いくらでも頼ってくれていいんだ。

ありがとう、ディラン。

――もう、ムリなんてしなくていいんだ。――


……序盤からこんなに頼りがい見せまくり……。

第四章

ファラ、まだ起きててくれて良かったよ。
ソティナさんから預かった宝珠、見せてくれないか?

うん、いいよ。

見たところ、ただのキレイな玉なのに、あんな不思議な力を秘めてるなんてな。
………。
やっぱり、ダメ…か。

どうしたの?

いや、女神ファーライトの力で、奇跡が起きないかなって思ってさ。
宝珠に、祈ってみたんだ。
陛下が…生き返りますようにって。

ムリよ。だって、もう私が祈ったもの。

そうか…。

でも、過去は変えられなくても未来は変わると思うの。
だから、これからの事を祈りましょ。


そうだな。

どうか、王国と帝国が仲良く暮らせる日が来ますように。
お兄様が、昔の優しいお兄様に戻ってくれますように。
(どうか、ディランがずっと側にいてくれますように)


――君と一緒にいる事が、俺の望みだ。――


ファラがけなげだ〜。


第五章

ファラ、今日は大変だったな。

うん、でも怪我人が少なくて良かったわ。

そうだな、ルーガの指揮でみんな黄金宮に避難したからな。
それはそうと、ファラ。
ちょっと、話したい事があるんだ。

え?

いや、もし誤解があったら良くないと思ってな。
その、エルナディータの事で。

あ、ディランの許嫁のエルナディータさんの事ね。
あんな可愛い許嫁がいたなんて、教えてくれれば良かったのに。


違うんだ。許嫁の存在を知らされたのは人質返還の後なんだ。
もちろん、彼女と会ったのはその時が初めてだし、秘密にしてたわけじゃない。
それに、こうなってしまった以上、彼女と結婚する事はないだろうし。

あら、じゃあこうなってなかったら、結婚してたって事なのね。

いや、それは言葉のあやで。
何て言うかその、結婚はお互いの意志が重要で…。
つまり、俺にはまだそんな意思はないという事でだな、えっと…。

(ディラン、必死になってる。フフ、何だか可愛いな)

――ファラ、信じてくれ、俺は………。――


ファラが何気にヒドイ人だ(笑)。
ディラン編でのファラと違って余裕あるなー。


第六章・前

ファラ、今日はありがとう。
危険をおかして、王都にまで助けにきてくれて。

ううん、王都への潜入は、私がお願いしたようなものだもん。
私こそ、お礼を言わないと。
ディランが情報を集めてきてくれなかったら、どうしようもなかったもの。


いよいよ、明日だな。

うん、もう覚悟は決めてるつもりなのに、やっぱり怖いな。

俺も、正直怖い。
だけど、俺は信じてる。
ファラの立てた、この作戦を。

ありがとう、ディラン。

ファラ、俺はすべての力を君に預ける。
必ず勝って、王国を取り戻そう!

うん!

――ファラ、俺は君を信じる。――


ディラン、捕まった言い訳はしないんですね。


第六章・後

やっぱり、まだ起きてたのか。

うん、女王になるって事を考えてたの。
ねえ、ディラン。
やっぱり私、断ろうと思ってるの。
私には、とてもムリだわ。
セレスティアの女王だなんて。


俺は、ムリだなんて思わない。
それどころか、ファラにしかできないと、思ってる。

私が、王家の人間だから?

そうじゃないんだ。
君は、誰よりも優しい心を持っている。
かたくなだった俺の心をほぐしてくれたのも、君のその優しさだ。
そんな君だから、本当に平和な国を作れるような気がするんだ。

ディラン。

俺に出来る手助けならなんだってする。
だから、女王になってくれないか?
いい返事を、期待してる。


ディラン、ありがとう。
ディランがそう言ってくれるなら、私、できるような気がする。


――君の優しさに、俺は救われたんだ。――


ガーリットとは別の方向にディランはファラに甘いっすよね。


第七章

ファラ、風邪をひくぞ。
セレスティアとは気候がまるで違うんだから。

うん、そうだね。
ごめん、ちょっと考え事をしてたの。
ノインお兄様の事を。


すまない、俺の力が足りず、ラディウスに…。

ううん、ディランのせいじゃない。
だから、謝らないで。
あのね、私今、少しだけホッとしてるの。
お兄様は、洗脳されていた。
それって、お父様を襲ったのも本心じゃないって事でしょ。


ファラ、必ずノイン王子を助け出そう。
あの時、王子は本当の自分を取り戻しかけていた。
洗脳を解く事も可能なはずなんだ。
元に戻ったノイン王子が仲間になってくれたら、こんなに心強い事はない。

そうだね、ディラン。
(もし、お兄様が戻ってきてくれたら…お兄様に、なってもらおう。セレスティアの王様に)


――諦めずに、前に進もう。――


すでにこの時点からファラが責務投げる気満々だ…。

第八章

まだ起きてたのか。
ファラ。
でもまあ、その気持ちも分かるけどな。
伝説の神竜ハインラインの背中に乗って、女神ファーライトが造ったマナの門を目指す。
こんなとんでもない経験をしてるんだもんな。

うん、こんな経験したくたってできないでしょ?
だから、少しだけ夜ふかししちゃってるんだ。
眠っちゃったら、何だかもったいないような気がするんだもん。


ハハハ、ファラらしいな。
その考え方。
よし、俺も少しだけファラと一緒に起きていようかな。

うん、そうしよ。
ディラン。


――今日はもう少し、ファラに付き合いたい気分なんだ。――


のんきだなオイ!


第九章

あの子は、一緒じゃないのか?

あくり〜んちゃんね。
眠くなって寝ちゃったの。
ずっとはしゃいでたから疲れちゃったみたい。


宝珠が光って、あの子が現れた。
そうだったな?
それで、壊れたマナの門を直してしまった。
どうやら、俺達はまた宝珠の力に救われたようだな。

うん、そうみたいだね。

マナの門を直してしまうあの子の力は不思議だけど、悪い子じゃなさそうだ。
しばらく、様子を見る事にしよう。

うん、そうしよ。

だけど、あくり〜んはどうしてあんなにもファラになついてるんだろうな?
ムームーの時もそうだったし、ファラは何だかよく分からないモノになつかれる質なのかもしれないぞ。

何だかよく分からないなんて言ったら、ふたりとも怒っちゃうよ。

ごめんごめん、ふたりには内緒にしておいてくれ。

どうしよっかな、フフフ。


――またファラに助けられたよ、ありがとう。――


けっこうディランはみんながなあなあに済ましそうな事を気にしますよね。


第十章

まだ、起きていたのか。
きっとファラの事だから、ファングの過去について考えてるんだろうな。

うん、そうなんだ。
ファングさんは、悲しい過去を背負ってるんだろうなって。
ううん、ファングさんだけじゃないよね。
戦争で悲しい思いをしてる人は一杯いるんだから。

そうだな。
それが戦争だって、言ってしまうのは簡単だ。
だけど、こんな事は間違っているんだ。
みんなが、悲しい思いをしなくてすむような世界にしなくちゃならない。
俺は、そう思うんだ。
夢物語かもしれないけどな。

ううん、そんな事ない。
夢物語なんかで終わらせちゃダメなんだよ。
ディラン、一緒にそんな世界を目指しましょ。

ああ、そうしよう。
ファラ。

──ファラ、君とならできる気がする。──


『まだ起きてたのか』ってよく言う割にはディランも夜更かしな気がする今日この頃。


議会イベント・コテージの危機

※解決後

みんな、ありがとう。
俺のわがままを聞いてくれて。

そんな事はない。
王家のコテージは王国にとっても大切な施設だからな。

さ、帰りましょ。
ディラン様?

すぐに追いかけるから、先に行っててくれ。

分かりましたわ。



良かったね、コテージが無事で。

ここだけは、どうしても守りたかったんだ。
ここは、ファラ。
君との思い出の場所だから。
この場所があるから、君と過ごした思い出があるから…。
俺は、どんなにつらい事でも耐えられる。
俺にとって、この場所は希望その物なんだ。

戦いが終わったら、またここでたくさんの思い出を作ろ。ディラン。

ああ、そうだな。



第十一章

今日は、悪かった。
駆けつけたのにもかかわらず、ファラを助けられなくて。

ううん、こっちこそごめんね。
勝手に城を飛び出しちゃって。
でも、お兄様の洗脳が解けて本当に良かったわ。
これで安心して、王国をお兄様に任せられる。


ファラ、ノイン王子の事なんだけどな。

何?

知ってのとおり、洗脳されている間の事をノイン王子は覚えていない。
だから、あの事は言わなくてもいい…。
いや、言うべきではないって思うんだ。
謁見室での、出来事を。

うん、分かってる。
私もそのつもりだったから。
でも、それで本当にいいのかな?


いいに決まってるさ。
陛下だって、それを望んでるはずだ。
陛下は、城に攻め込んできた帝国兵の手によって命を落とされた。
それが、真実なんだ。
いいな、ファラ。

うん、ディラン。

――真実は、俺達の胸にしまってこう。――


ガーリットの時も書いた気がしますが、私にはそれがいいとはちょっと思えないんですよね……。

第十二章

…ディラン。

ここにいたのか、ファラ。
探したよ。

ごめんね、勝手にいなくなったりして。
でも、私もうダメみたい。
もうがんばれないよ。
だからディラン、私の事はもう…。


ファラ、気持ちは…分かる。
だけど、俺達は前に進まなきゃならない。
ノイン王子も、それを望んでいるはずだ。

…お兄様ね、私に言ったの。
自分が国王になったら、争いのない国を作りたいって。
ディランと協力して、帝国とも仲良くしていきたいって。


今、その夢は君に託されているんだ。
ゆっくりでもいい!
俺がいくらでも力を貸す!
だから、一緒に行こう!

…ありがとう、ディラン。
私、行くわ。


──俺がついてる、だから一緒に行こう。──


えー、ディラン、ちょっと厳しすぎる……。


第十四章

ファラ、ありがとう。

えっ?

俺の父、皇帝グロッケンの亡骸を、葬ってくれた事だ。
憎い相手のはずなのに、本当に、ありがとう。

ううん、当たり前の事だから。
それに、ディランのお父様なんだし…。


ファラ、俺は思う。
父上は、悪い夢を見ていたんだって。
すべてを手に入れる事のできる強い国こそが、良い国なんだと。
でも、それは違うんだ。
俺は、王国での10年でその事を学んだ。
陛下やファラ、君が俺に教えてくれたんだ。
もし、人質交換がなく俺が帝国にずっといたら…。
父上と一緒に、悪い夢を見ていたのかもしれないな。

そんな事ないよ。
ディランは違う。
だって、ディランは最初から優しい人だもの。


…ファラ。

──俺を変えてくれたのは、君だよ。──


父親を亡くした後なのに割合ドライですね。。人に厳しいだけの事あるわ。


第十五章

もう、ずいぶんと時間が経ったような気がする。
俺達が、セレスティア城を抜け出した、あの夜から。

本当にそうだね。
もう、ずっと前の事みたい。


あれから俺達は、戦いを続けてきた。
それも、明日でやっと終わる。
その事が、俺は正直うれしいんだ。

でも、帝国は強大よ。
私達で勝てるかどうか…。


必ず勝てるさ。
俺達には、『想い』があるから。

想い?

この戦争を終わらせて、再び平和な世界を取り戻したいという想い。
これ以上、苦しむ人々を増やしてはならないという想い。
そして、愛する人を、国を、守りたいという想い。
この想いがあれば、俺達は負けないはずだ。

…そうだよね。
私達、勝てるよね。
ありがとう、ディランのおかげで勇気が出たよ。


そうか、良かった。

ところで、ディランの愛する人って一体誰なのかな?

!?

フフフ、それはこの戦いが終わったら教えてもらおうかな。

…そうだな。
それまで、待っててくれ。ファラ。
必ず、君に伝えるよ。
俺の、想いを。

──戦いが終わったら、俺の想いを伝えるよ。──


気付いてあげて、ファラ!


第十六章

ファラ、やっぱり起きてたんだな。
きっと、ここにいるんじゃないかって思ってた。
ここからの眺めが、一番キレイだからな。

セレスティア城のテラスからの眺めもキレイだけど、帝国も、負けてないと思うな。
たくさんの人達が築き上げてきた、帝国の文化なんだね。


ああ、そうだな。

ディランはこれから、皇帝としてそれを守っていくんだね。

なあ、ファラ。
いつ、王国に戻るんだ?

明日には帰るつもり。
きっと、みんなが待ってるから。


そう…か。

これまで、ありがとね。
ディラン。
そして、今度こそお別れだね。


ファラ、俺は…俺は君と別れたくない。
できる事なら、ずっと一緒にいたいんだ。
君は俺の、大切な家族…いや、大切な女性だから。

ディラン…。

すまない、こんな事を言っても、どうにもならないのにな。
君は王国の女王、そして俺は帝国の皇帝。
国がひとつになりでもしなければ、ずっと一緒なんてムリだろう。

国がひとつ…か。
そんな未来が、本当に来ればいいのにな。


──俺は大切な君と、別れたくない。──


ちょ、『大切な女性』って発言スルーされてますよ!?


第十八章

まだ、起きてたのか?

ディランこそ。
明日の戦いの事が心配なのね。
分かるわ。
だって、相手は女神クラヴィスなんだもの。
私達、勝てるかな?
ううん、そんなこと言ってても仕方ないよね。
絶対に勝てる。
そう思わないと。

違うんだ、ファラ。
確かに、女神クラヴィスとの戦いは心配だ。
だけどそれ以上に不安な事が、俺にはあるんだ。
ファラ、君がいなくなってしまう事なんだ。

えっ?

女神アクリーンが言っていた。
君には女神ファーライトの魂が宿っているって。
もしその魂が覚醒して、君が女神になってしまったら…。
そして、ファスティアナへ帰ってしまったら…。
そう考えると、俺はどうしていいか分からなくなる。

ディラン…。

ファラ、約束してくれ。
クラヴィスを倒し、一緒に戻ってくるって。
ルーンハイムが平和になっても、君がいなかったら俺には意味がないんだ。
俺が心から愛する、君がいなかったら。

…ディラン。
ありがとう、そう言ってくれてすごく、すごくうれしい。
約束する。ディランと一緒にこのルーンハイムに戻ってくるって。
私、約束するから。
絶対に。

──お願いだ、俺の前から消えたりしないでくれ。──


ディラン、ちゃんとそこ心配してくれるのね…!


終章本編

みんな、この扉の向こうに女神クラヴィスがいます。
ルーンハイムに暮らすみんなのために、負けられない…戦いです。

そんなのは分かってるぜ。
ま、オレに任せときな、王女さん。

ファラ様、私はどこまででもあなたについていきますよ。

お姉さんも、がんばっちゃうんだからね。
ファラちゃん。

このわたくしが力をお貸しするんです。
負けるなんてありえませんわ。

ファラ女王、俺の命はあなたの物だ。
存分に使ってくれ。

女の意地の見せどころだね。
お嬢ちゃん。

あたち、おねーたまのお手伝いするの!!!

ムームームー!!!

行こう、ファラ。
俺達のルーンハイムを守るために。

うん、みんな行こ!
私達の最後の戦いへ!


  ◇  ◇  ◇


ファラ、いや、女神ファーライト。
ありがとう。

ファラでいいんだよ。
ディラン。
私は、女神ファーライトであり、ディランのよく知ってるファラでもあるんだから。

ファラ、君はやっぱりファスティアナに行ってしまうのか?
女神として、覚醒したんだから。

ううん、私はみんなと一緒にルーンハイムに帰るわ。

ファスティアナも、アシャンティも、そしてオヴァドも。
それぞれが世界として安定しているわ。だからもう、女神の助けはいらないの。
私がすべき事は、女神としてファスティアナに戻り見守ることじゃない。
人間としてルーンハイムに戻り、新しい世界を作ること。
二度と、戦争が起こらないような、そんな世界を。
召喚プレートで呼び出す異世界の住人達の力を借りず私達だけで成し遂げるの。
そしたらきっと、お姉様も…。
女神クラヴィスも安心すると思うわ。

ああ、そうだな。
俺もそう思う。
これまで、俺達の力になってくれた召喚プレートは神殿に保管しよう。
もう、彼らの力を借りる時代は終わったんだ。

そうと決まったら、みんなでルーンハイムに戻ろうぜ。
いつまでもこんなとこにいて、道が塞がれちまったら大変だからな。

そーですわ!
一生オヴァドで暮らすなんてゴメンですわよ。

ファラ様、戻ったら忙しくなりそうですね。
帝国とも協力し、新しい世界を作っていくのですから。

ファラ女王、これからも俺を使ってくれ。
あなたが目指す世界、この俺も見てみたい。

やれやれ、戦いが終わっても、何かと大変そうだね。
ま、そんだけお嬢ちゃんが頼られてるって事なんだろうけど。

お姉さんに手伝える事があったら何でも言ってね。
ファラちゃんのためなら、一肌も二肌も脱いじゃうから。

あくり〜んも!
おねーたまと一緒にがんばる!

ムームームー!

帰ろう、ファラ。
俺達の、ルーンハイムへ。

うん、帰ろ。
私達の、故郷へ。



ED

また、この城に戻ってこられるなんてな。
正直、思ってもなかったよ。

私もだよ、ディラン。
でも、これはちっともおかしな事じゃないんだよね。
だって、帝国と王国はひとつの国になったんだから。

俺達は、ふたつの国が手を取り合って歩んでいける未来を目指した。
最高の結果になって、本当にうれしいよ。
反発や抵抗も覚悟してた。
何十年もかかるだろうって予想してた。
こんなにも早く、実現できるなんてな。
これって、奇跡だよ。
もしかしたら、女神ファーライト様の力なのかもな。

もー、そんなんじゃないよ。
人間として生きる事を決めてから、女神の力は消えちゃってるんだしね。

ファラ。本当に、ありがとう。
あの時、ルーンハイムに戻る決意をしてくれて。

どうしたの?
ディランいきなり。

君が、あのままファスティアナに行ってしまっていたら…。
国をひとつにするなんて事、できなかったと思う。
心から愛する君と一緒だったから、成し遂げられたんだ。

ディラン…。

──愛する君と一緒にいられる。それが、一番の奇跡だ。ファラ。──


結婚して統合、ってカタチじゃないんですねー。



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